亜人6巻のネタバレ感想【合理的な圭の内面について】

亜人

亜人テロリスト・佐藤をなんとしてでも倒すため、永井圭は亜人管理委員会トップの戸崎と共同戦線を張ると決断。
緊迫する亜人情勢は新たな局面に突入した。

 (桜井画門『亜人』6巻より)

 

くろやんです。

前巻でようやく主人公の圭が佐藤を倒す決意をし、攻と仲間になり、亜人管理委員会の戸崎と手を組むことになりました。

 

今回6巻は物語自体はあまり進まず、キャラの心の動きや過去に焦点をあてた巻になります。
こういう内面を掘り下げた話は個人的に好きですね。

 

クズと言われる合理的な圭の性格について、戸崎の部下となるまでの泉の過去、再登場した海斗(カイ)の現在の話が6巻の内容です。

バトルだけじゃなく、こういった人間ドラマもあるのが『亜人』の魅力だと思います。

 

以下、6巻のネタバレを含みます。

 

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余分な感情はいらない

対佐藤への作戦会議や特訓を行うため、圭を含めた戸崎陣営は山奥の宿泊施設にいた。

施設屋外で腕立て伏せをする圭と攻。
指導するのは戸崎が雇った黒服の男達。

てっきりモブかと思ったら、ちゃんと名前もあって今後も出てくるよう。
ちなみに頭のハゲたおじさんが平沢、髭のあるおじさんが真鍋

 

現場で働いていた攻と比べ、頭脳派の圭はこういった体力を使うものが苦手らしい。
途中でサボっていたところ、「しっかりやれ」と屋上から監視していた戸崎に言われる。

渋々腕立て伏せを再開した圭は、ふと攻の方に視線をやる。
平沢、真鍋の二人とごく自然に攻は雑談をしていた。

 

 

廊下で話していた圭と攻に、泉が声を掛け「会わせたい人がいるから、ついて来て」と言う。

案内された部屋にいたのは、オグラ・イクヤだった。

「俺は中野です」という攻の自己紹介を華麗にスルー。
煙草を吸っていいか尋ねて「すみません、苦手なんで」という圭の返事を見事にスルー。
戸崎のことを『田崎君』と言う。もはや崎って漢字しか合ってない!

不思議な独特のオグラワールドを展開するオグラ博士。

 

 

圭の黒い幽霊(IBM)について興味があり、出してみろと言う。
暴走気味の幽霊を出すことに攻は反対、最初はためらっていた圭も「殺す気で来い」とオグラに促され、言われるまま幽霊を出すことに。

命令してみろとオグラに言われるが、相変わらず圭の幽霊は命令無視。
隣にいた攻に攻撃を仕掛ける。

 

それを見たオグラは、勝手にIBMが動くのは長い間ほったらかしにしたからだと説明する。

さらに、圭がIBMを出したのは幼少期からだとオグラは言う。

 

IBMはInvisible Black Matterといって、元は亜人の放出する黒い粒子を指すそう。

圭はこのIBMが異常に濃いらしい。
普通は5~10分で消えるらしいが、圭は30分もったこともあると言う。
連続で出せる数も5体、調子が良くて9体と答える圭。

 

圭の話を聞いて、オグラは独り言のように意味深なことを呟く。
「君はいつから亜人なんだ?」

ということは、亜人って生まれた時からじゃなくて、ある時を境に亜人に変わるってことなのだろうか。
まだ亜人について謎が多い。

 

 

廊下を歩き、先程のオグラの話の内容を考える圭。
攻達がいる部屋のドアを開けると、中にいた黒服の真鍋が圭の方へ銃を向けていた。

撃たれると勘違いした圭は、とっさに「止まれ!」と大声を出し、動きを制止させる。
その声によって真鍋らの動きは止まり、部屋の中に一緒にいた攻も圭の行動に驚く。

 

攻は圭をトイレに連れていき、銃の撃ち方を教わっていただけだと怒る。
それに対し圭も「黒服と友達ゴッコしてんじゃねえ!」と怒る。

お互いに考えの不一致で口論になる圭と攻。

 

人間である黒服の男らの『ちゃんと死ねる』というスキルを利用し、「捨て駒として、作戦に組み込めるかもしれないんだ」と言う圭。

他人を思いやらない圭の発言に、「ふざけんな!」と攻も激怒する。

 

人を大切に思ったりしたことないのか、と尋ねる攻に「ない」と即答の圭。
人との情を大切にする攻と、情を切り捨てようとする圭。

「お前の逃走を手伝ってくれたっていう友達(カイ)はどうなんだよ!」の言葉に、圭は少し考える様子を見せるが…。
いらないと答え、「こんな状況になっちゃあ、何の役にも立たない。何かするメリットもない」と言う。

 

昔からこうした合理的な考えを持っていたらしい圭。
亜人と発覚し賞金目当てに追われ、政府に捕まり人体実験を受けたこれまでの流れで、余計にその合理的な冷たい面が強まったよう。

心に流されれば身を滅ぼすと圭は考える。

 

「クズが」と罵る攻と、「バカが」と罵る圭。
まさに売り言葉に買い言葉!

チーム戸崎、大丈夫か…(;´∀`)?

 

変わるべきか悩む圭

喫煙所にいたオグラに話しかける圭。
圭は自分のIBMが、むやみに暴力を振るう原因は何かと尋ねる。

唐突に「男の子が向かいのおばさんにデブと言った」と、話すオグラ。
意味不明なオグラの回答だが、「その子は悪いじゃなく、母親のよく言う陰口を真似しただけ」だという。

 

同じようにIBMの行動も、飼い主の性質に関係しているらしい。
圭が人間嫌いで、人と関わるのを拒絶しているとして、そういったことがIBMを暴力行動に走らせているとしたら…。
「IBMを変えたければ、君自身を変えることだ」と、オグラは助言する。

 

そこに真鍋ともう一人黒服の男が、圭に「戸崎さんが呼んでる」と声を掛ける。
すれ違いざま、圭は真鍋が耳栓をしていることに気付く。
昨日の声のことがあり、真鍋が自分を警戒していると分かり、「ハッ」と自嘲ぎみに笑う圭。

 

 

戸崎とその他面々が集まり、佐藤との戦いに向けての会議が始まる。
暗殺リストにある名前は残り7名。
敵はこのどこかに現れるため、待ち伏せが有効と戸崎は考える。

リストの中で選んだのが、フォージ安全の社長甲斐敬一(かいけいいち)と、秘書李奈緒美(りなおみ)だった。

 

戦う場所が決まり、あとはどう戦うかという話になる。

こちらの亜人は3人(圭、攻、泉)と話す圭に、女性の泉に危ないことはさせられないという攻。
「子供だろうが老人だろうが使えるものは使う!」と圭は言い、泉も「私は仕事をサボる気なんて無い」と言う。

それぞれの発言に「ケンカするなよ」と頭を抱える戸崎が、いつの間にやら保護者のポジションで面白い。

 

ここでまた圭が、ふと攻の方に視線をやる。
攻と泉が先程の話の続きをしているよう。

ごく自然に泉とも話ができる攻の様子を見て、圭は無表情のまま手元に視線を落とす。
この辺のコマは、視線だけで圭の気持ちを表現して深い。

 

そして戸崎も、何気なく圭の手元を見る。
渡したフォージ安全の資料に、圭は細かく沢山のメモを書いていた。

このコマも戸崎の台詞も何もなく、視線と表情だけ。
でもこれで、圭に対する戸崎の気持ちに変化があったことを表している。

 

 

その後も体力作りや、IBMを同時に出すことについて、IBM同士の戦いなどが続いていく。

銃の撃ち方を黒服達に習う二人。
一回見ただけで、使い方をマスターする圭。
反対に「え!?連射ボタンねえの?」と、余計なことを言って「いいからまず見てろ」と怒られる攻。

親しげに雑談できる攻の様子を、また圭は複雑な気持ちで見ている。

 

 

夜、トイレから出てきた真鍋に話しかける圭。
相変わらず警戒している真鍋の様子に、圭は後でいいと言ってその場を去る。

 

森の中で座り、考え込んでいた圭のところへ黒服の平沢がやってくる。
真鍋から話を聞いたようで「何か用でもあったか?」と、尋ねる平沢。
身長や体重のデータがあった方がいいかと思ったが、なくても全然大丈夫と、圭はそっけなく答える。

そんな圭を見て、唐突に平沢は「お前、寂しいのか?」と問う。

 

平沢は圭の言動をよく観察していた。
他人を思いやらない言動が正しいのか、変わるべきなんだろうかと迷っていた圭のことを指摘する。

攻は他人の信頼を得るのがうまく、もしここが学校なら攻がヒーローで、圭はただの嫌な奴だろうと言う。

しかし、ここでは倫理や感情を断ち切り、圧倒的な決断が必ず必要になる。

 

クズと言われた合理的な圭に、変わる必要性はなく「お前はそれでいい」と言う平沢。

平沢さん、なかなか味のあるおじさんだ…。

立ち去ろうとする平沢に、圭は自分の父親のことを話しだす。

 

圭の父親は優秀な外科医だったが、ドナーの見つからない患者を救おうと臓器売買に手を出してしまう。
結果、圭の父親は仕事も家庭も全てを失った。
そうした父の姿を見た圭は「同じ失敗はしない。僕はバカじゃないから」と情を切り捨て、合理的になったよう。

 

自分のことをよく見て、変わらなくていいと言ってくれた平沢に対して、圭は自分の心の内を話した。
圭の性格については、こちらの記事も合わせてどうぞ。
クズと言われる亜人永井圭の性格【寂しいって言っちゃえば?】

 

 

次の日、対佐藤の作戦要項を渡された面々。
内容を見ていた真鍋が、ココお前の案だろと圭に言う。
圭の案を見て「おもしれぇじゃねぇか」と、感心した様子。

この作戦がどう佐藤との戦いで出てくるのか、気になる。

 

夜、一人でいた圭に攻が話しかける。
「イイ感じの死に方知らない?」と尋ねる攻。

IBMを出すことができない攻は、どうすれば出せるようになるかその方法をオグラに聞いていた。
オグラの答えは、「とにかく死にまくること」だった。
何十回、何百回引かなきゃハワイ旅行は当たらんよって例えが斬新w

 

圭が教えたイイ感じの死に方は、首を吊るというもの。
暗いなか、木にくくられたロープと椅子ってすごいシュールな絵。
これなら低コストでオートマチックに何度も死ねるそう。い、嫌だ( ;∀;)

 

 

首を吊るのをためらっていた攻は、「よくあんな躊躇なく何度も死ねるよな」と圭に話しかける。
もしかしたら次は生き返らないかもしれない、いつだって怖いと言う攻。

 

そんな攻に淡々と、「なんだってやるさ。じゃなきゃ先には進めないんだ。怖がる必要性が無い」と圭は話す。
「お前すげえな」と、さらっと圭を褒めて見直す攻。

言われてビックリした圭は黙り、決まりが悪いような複雑な顔をする。
そして、いいから早くやれと攻へけしかける。

 

 

この後、何十回も攻死んだのかな…(;´∀`)
その隣で何十回も圭見たのかな…(;´∀`)
それはそれで、シュールすぎる光景だ。

 

続きはこちら。
亜人7巻のネタバレ感想【フォージ安全ビルでの要撃開始!】

亜人の記事をまとめたページはこちら。
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