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いぬやしきと黒澤明監督『生きる』【ゴンドラの唄ってそういうことだったんだ】

time 2016/02/03

いぬやしきと黒澤明監督『生きる』【ゴンドラの唄ってそういうことだったんだ】

(奥浩哉『いぬやしき』1巻40p)

 

くろやんです。

1巻で気になったところを調べて、ようやく「へぇ~そうだったんだ」と気付きました。

 

以下、いぬやしき1巻と映画『生きる』のネタバレあります。

 

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ブランコをこいでゴンドラの唄を口ずさむ

犬屋敷さんが胃ガンと診断され、家族に連絡するも誰も携帯に出ない。

公園のブランコに一人座り、ゴンドラの唄を口ずさむシーン。

てっきり、ただ『ゴンドラの唄』を歌っていた頃の世代で、昔を思い出して口ずさんでるのかな…ぐらいにしか思ってなかったんですが。
(後でよくよく考えたら、ゴンドラの唄自体は大正に発表された歌だから、犬屋敷さんの年齢には合わないですね)

 

これは、黒澤明監督の『生きる』という映画のある場面を再現してたんですね。

 

ついこの前、ようやくこの場面の意味がわかりました。
しかも、詳しく解説している方のページ(現在は見れなくなっています)までありました。
わかりやすい!

 

ちょっと気になったので、ゲオで黒澤明監督の『生きる』借りて観てみました。

 

 

『生きる』のあらすじ

市役所の市民課長として働く初老の渡辺という主人公。
無気力にただ時間を無為に過ごすためだけに、課長の椅子に座る生活をしていました。

 

市役所の窓口には「近所に汚水溜まりがあるから何とかしてほしい」と、苦情に来る主婦の方々が。
しかし、「それは土木課へどうぞ」「それは公園課へ」「それは水道課へ」「それは…」と、たらい回しにされる。

 

市役所では面倒なことはせず、何も行動を起こさないのが暗黙のルール。
誰もがそんな対応で、渡辺もそうした「なにもしない」「行動を起こさない」生き方をしていました。

 

 

そんな渡辺がある日、病院で自分が胃ガンだとわかります。

この胃ガンだとわかるところ、犬屋敷さんと状況は一緒ですが、映画の方は医師がはっきりと「胃ガン」だと伝えないんですね。
軽い胃潰瘍で…という風に曖昧に言葉を濁す。

 

もってあと半年ほどの命。

死への不安や自分のこれまでの人生について苦悩する渡辺。
一時的に不安や悩みから逃避するため、酒を飲んだりパチンコをしたり女遊びをするけど、気が晴れることはなく…。

 

そんな時、市役所にいた小田切とよという若い女性職員が、市役所を辞めたいから書類に判を欲しいと家にやって来ます。

彼女と食事をして一緒に話をするうちに、彼女の自由奔放さや若さ溢れる活気に惹かれていく渡辺。

 

君がうらやましい。自分もそんな風に生きたい、どうすればいい?と渡辺がとよに尋ねると、とよは現在自分が働いている工場で作っているオモチャを見せます。

自分はこれを作っているのが楽しい。「課長さんも何か作ってみたら?」と、言うとよ。

 

 

翌日から人が変わったように、市役所で精力的に働く渡辺の姿がありました。
主婦の人達が言っていた「汚水溜まりを何とかしてほしい」という問題に、真っ向から取り組む渡辺。

 

市役所のさまざまな課をまわり、ここに公園を作るという計画を実行に移していきます。
粘り強く頭を下げて、公園を作ることに反対する助役にも自分の意思を通します。

 

今までミイラというあだ名で死んでいるように生きていた渡辺が、本当の意味で「生きる」ことに目覚めた場面です。

 

 

そして、5カ月後に渡辺は亡くなります。
公園が完成してすぐだったそう。

最後に渡辺の姿を見た警察官が言うには、雪の降るなか完成した公園のブランコをこぎながら、ゴンドラの唄を口ずさんでいたという。

 

 

ゴンドラの唄を歌っている時の心情が微妙に違う

これは映画を観たからわかったんですが、犬屋敷さんと『生きる』の渡辺で、その時の気持ちが微妙に違うんですね。

 

ブランコをこいでゴンドラの唄を歌っている行動は一緒だけど、犬屋敷さんの方は「自分はもってあと3カ月の命」「家族と話したいのに誰も携帯に出てくれない」「自分のこれまでの人生は何だったんだろう」という、やりきれなさと不安しかない悲愴な感じですが。

 

渡辺の方は物語クライマックスの場面で、念願の公園が完成して「やる気になれば自分でもやり遂げることができた」「自分が生きた証を残せた」「誰かの役に立てた」という、充実感や達成感を感じるシーンとなります。

 

実際に観てみないとわからないもんですね。

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