(奥浩哉『いぬやしき』6巻)
くろやんです。
『いぬやしき』6巻のあらすじや感想を紹介していきたいと思います。
前回、皓の心が大きく揺れ動きました。
一度は自暴自棄になり、全世界が敵だと殺戮の道を進むかに思われたが。
しおんのおかげで皓は考えを改め、人の命を救う道を歩き始める。
これから穏やかに暮らしていけるかと思った矢先、5巻最後でしおんの自宅に特殊急襲部隊(SAT)がやって来る。
今回も皓のストーリーが中心になりますが、それと同時進行で、これまで登場が少なかった麻理ちゃんの話が出てきます。
以下、6巻内容のネタバレ含みますので注意してください。
俺が勝つから
みんなが寝静まった夜。
突然、しおんの自宅に侵入して来たSAT隊員。
皓に狙いを定め、容赦なく集中砲火を浴びせる。
皓を匿っていたためか、流れ弾が当たったのか。
しおんとおばあちゃんは銃弾によって、命を落としてしまう。
激しい集中砲火のなか、何とかSAT隊員に反撃の一発を与えた皓。
その隙に、しおんとおばあちゃんを抱えて逃走する。
安全な場所へ飛んで移動し、動かなくなった二人を横たわらせ…。
皓は二人の手を握ると、「ごめん…ごめん…」と泣きながら謝る。
き、鬼畜な展開。
束の間の平穏が訪れたと思ったら、無慈悲に終わりを迎えてしまった…。
その後、警察署の前に顔を隠すためフードを被った皓が現れる。
何をする気なのか…
え、まさか…( ゚Д゚)
そのまさかだった!!
警察署へと乗り込んだ皓は、順々に警察官らを撃ち抜いていく。
やはり皓、殺戮の道を進むと決意したらしい。
警察官らも応戦するが、機械の皓相手だと勝ち目はなく。
一人生かした警察官以外は全員撃ち殺されてしまう。
警察署を出た皓の目の前には…。
SAT隊員と何台ものパトカーが、皓を待ち構えていた。
その光景を見て、楽しそうな表情を浮かべる皓。
獅子神皓VS特殊急襲部隊(SAT)+警察官
一発、ライフルが皓に命中する。
それを開始の合図のように、SAT隊員が皓を取り囲み集中砲火。
皓も反撃を開始し、警察署入り口で熾烈な銃撃戦が繰り広げられる。
テレビでもこの戦いは生中継され、国民が固唾を呑んで見守るなか、「獅子神皓が射殺されたようです!」と報道の声が聞こえる。
眠ったように動かなくなった皓。
が、ここで皓が覚醒!
以前、ヤクザとの戦いで自動モードになった犬屋敷さんと同じく勝手に身体が動き、SATへと攻撃を仕掛ける。
これによって、SAT隊員は全滅。
残った警察官らが皓を取り囲み発砲するが、やはり皓の圧勝だった。
一人生かされた警察官が、「お前の…勝ちだ…」と皓に言う。
しかし、「まだだよ…」と皓は告げて、警察署を後にする。
無敵すぎる、覚醒最強。
ところで、自動モードになるパターンがヤクザとの戦いの時と似ているのは、気のせいじゃないはず。
ある程度、集中砲火を受けると一旦活動停止になって、そこから自動モードに切り替わるよう。
そして、最後にしおんとおばあちゃんの様子が映る。
どうやら二人、皓の能力で生き返ったらしい。
銀行にお金が振り込まれていた、とおばあちゃんに話すしおん。
きっと皓からだろうと二人は考える。
隣よりバカでかい家建ててやる
今回もう一人の主役。
犬屋敷さんの長女、麻理ちゃん。
クラスの周りが、獅子神皓や小惑星衝突の話題で盛り上がるなか、「どーでもいい」と興味なさそうに言う。
割と冷めた印象が強かった麻理の意外な夢。
それが、新人賞をとって漫画家になりたいというものだった。
学校帰り。
麻理は隣に住む漫画家の父親をもつ同級生の織田に、「織田君は?漫画…描いてないの?」と尋ねる。
高校在学中にジャンプの新人賞に出そうと思っている、と答える織田。
その返答に「欲張りすぎじゃない?あんたん家、お金山ほどあんじゃん」と、麻理は怒り気味に言う。
家に帰った麻理。
漫画の原稿に向かいながら、「許せない。親子揃って、ぶっつぶす!」と隣の親子に対抗心を燃やす。
そして、隣の家よりもでかい家を建ててやると誓う。
麻理ちゃんがこんな熱い想いを持っていたなんて意外。
しかも、漫画を描いてるっていいじゃん(´∀`)
応援したくなる。
夢があるって悪いことじゃない。
ある日、麻理は父と直行(チョッコー)が一緒に歩いているところを偶然目にしてしまう。
不審に思った麻理は、二人の後をつけていく。
その間、「どうして二人が一緒にいるのか」について妄想を膨らませる麻理。
もしかして、父が娘の婿にと直行を選んだんだろうか。
実は、父は若い男の子が好きだったんだろうか。
いや、父と愛人との間にできた子供が直行だったとか。
妄想力豊かすぎw
そして、後を追って行った先の病院で。
病室へと入っていく二人。
部屋の外から様子を窺っていた麻理は、父が病気の患者を治すところを見てしまう。
さらに、病院を出たところで火事の現場に向かうため、父が空を飛ぶ瞬間も目撃する麻理。
麻理は父の信じられない重大な秘密を知ることになる。
彼女と彼の宣言
ある夜、運転席に誰も乗っていない無人の車が走っている。
これは犬屋敷さんが機械の能力で動かしていたようで、その練習を直行と一緒にしていたらしい。
直行曰く「皓は同時に10台以上は動かせる」という。
犬屋敷さんが帰宅すると、奥さんと麻理が揉めている。
どうやら麻理の進路(漫画家になりたい夢)のことで揉めているらしい。
大学は行かず、今年中に新人賞をとってデビューすると言う娘。
それに対して、現実を何もわかっていないと反対する母。
犬屋敷さんも一緒に座って、麻理の話を聞くことになる。
夢を追う子供と反対する両親。
あるある。
この光景、アニメやドラマでよく見かけるなぁ。
麻理が漫画を描いていたという話に、「漫画?本当?」とびっくりする犬屋敷さん。
そして、こう言葉を掛ける。
『ちゃんと高校まで卒業するなら、あとは麻理の応援してやっても…いいんじゃないかなあ』
てっきり叱ってくれるものかと思っていた奥さんは、「何言ってんの?ちゃんとしてよー」と困り顔。
父のその言葉を聞いて、麻理は考えを改め「わかった…勉強して、卒業はちゃんとする」と言う。
高校生の子供の進路相談。
これまでの非日常的なSF展開から一転、現実的なストーリーですね。
さすが犬屋敷さん、おおらかだ。
先日の父の秘密を目撃してから、麻理ちゃんは犬屋敷さんに対する見方が変わったよう。
最後に獅子神皓。
街頭の大型ビジョンに映り込み、国民に向けて衝撃のメッセージを伝える。
この国がある限り…僕は追われ続けます
なので、滅ぼすことにしました
皓は日本に宣戦布告した。
これは戦争だ。
一人もいなくなるまで、殺していくと告げる皓。
皓の映像を見て、冗談だと笑っていた街の人々。
しかし一人、二人と撃たれ倒れていく。
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まとめ
今回は皓VS警察の全面衝突と、これまで語られなかった麻理のひそかな夢が見どころでした。
やっぱり命を奪っていく道を選んだのか、皓。
6巻最後で、大胆にも日本全国民に向けて宣戦布告する。
もう殺戮ロードまっしぐら!
人間相手だと皓の圧勝になるからなぁ。
同じ機械の犬屋敷さんが相手をしないと、一方的な殺戮になりますね。
それか、ニュースでやっていた小惑星の衝突を二人で止める展開になるのか。
それはそれで面白いかも。
そして、今回登場が多かった麻理ちゃん。
これまでの印象からは想像できない、熱い想いを抱いていたようです。
いいですねぇ、夢に向かって一生懸命に頑張ってるって。
親子で進路について話し合うところ。
犬屋敷さんや皓のSF非日常的なストーリーと、こういう何気ない日常的な家族のストーリーが交錯してるのが、この漫画らしさですね。
ところで親子で話し合う場面、何かデジャヴがあるなと思ったら『耳をすませば』だった。
雫は小説を書いていて成績が落ちて、お姉さんに怒られてたっけ。
父親のタイプがまたちょっと違うけど、最後に後押しして娘のやりたいようにさせようってところが何となく似てるなぁ。
そういえば、クラスで皓の話題で盛り上がっていた内の一人が、「アメリカの海兵隊出身じゃねーよなアイツ」って言ってました。
ちょwそれ違う亜人の人w
確かにその人もSAT全滅させたけど(;´∀`)
その次のページで街の様子が映るコマ右端に、見たことのある女の子が。
あれ…タエちゃん?
手元にGANTZないけど、確かこんな感じだった。
こういう小さな遊び心を見つけるのが楽しいですね。
次回、国民に宣戦布告をした皓がついに戦争を開始するよう。
犬屋敷さんが皓の凶行を止めるのか、まったく予想外の展開を迎えるのか。
今後の皓の展開もそうですけど、麻理ちゃんの漫画家になる行方もどうなるのか見届けたい。
続きはこちら。
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