亜人5巻のネタバレ感想【圭と攻と戸崎、敵の敵は味方か?】

亜人

(桜井画門『亜人』5巻より)

 

こんばんは、くろやんです。

前回は『亜人』5巻のあらすじや感想を紹介していました。
前半はこちらです。亜人5巻のネタバレ感想【佐藤VS特殊急襲部隊50人】

 

身を隠していた村の班長らに正体がバレた圭ですが、大胆にもおばあちゃんの孫として嘘を通すことに…。

 

以下、5巻のネタバレを含みます。

 

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平穏の終わり

自分を匿ってくれているおばあちゃんの孫、良太として演技を始める圭。
「もうココしか、居場所がないんです」と、涙を浮かべて懇願する。

 

何人かは圭の話を信じつつあったが、班長はまだ信用しきれていない。
そこで極め付けに「お詫びと言ってはなんですが」と、焼酎をテーブルに出す圭。
それを見て班長の顔もほころぶ。

 

「誤解も解けたことですし一杯やりますかね」と、宴会になりそうな和んだ空気だったが…。
突然、背後から圭は撃たれてしまう。
後ろには北という男が、猟銃を持って立っていた。

 

復活した圭は近くにいた村人を盾に、「クソ…台無しだろ!」と言い追撃を防ぐ。

そして村人を離すと、別のドアから逃走した。
亜人は化け物と考え、他の者も呼んできて捕まえようと話す村人達。

 

 

おばあちゃんの家に帰って来た圭は、急いで身支度を始める。
外には銃を持った村人らが集まっていた。
おばあちゃんが玄関に出て話す間、圭は裏の窓から逃げることに。
そこで、村人のメガネをかけたおじいさんに見つかる。

 

メガネのおじいさんの車に乗せてもらい、移動する圭。
会話からすると、おばあちゃんは圭が亜人だと知っていたよう。

てっきりこのおじいさん、亜人の理解者かと思いきや…。
安全な所まで連れていく=「国に保護してもらおう」と言うおじいさん。

 

圭も思わず「はあ!?」ってなるよ、そりゃ。
「ダメだ、コイツ」(早くなんとかしないと)

 

圭は急ハンドルを切り、車を木に激突させる。
おじいさんはエアバッグで怪我はなさそうだが、圭はもろにフロントガラスに頭から突っ込んでしまう。い、痛い…。

 

カーナビでは、どこかの教授が亜人について解説する番組が流れていた。

「すべての亜人が危険だということを、国民一人一人が認識すべき」
今後も佐藤のテロによって、国民の亜人に対する偏見は強まっていく。

 

圭は痛みを堪えながら葛藤し、ある決断をすることになる。

 

 

投棄されたトラックの中、攻は諦めずよじ登っていた。
どうにか天井ドアの部分まで到達するが、中から開かないことに気付く。

その時、ドアが開き「どいつもこいつも馬鹿ばっかだ」と悪態が聞こえる。
「手伝え!」と、自棄ぎみに言う圭。

 

こうするしか道がないと圭も判断したよう。
佐藤を止めるため、圭と攻が協力することに。

 

 

暗い森のなかを移動する圭と攻。
突然スマホが鳴り、驚く攻に「おばあちゃんに買ってもらった」と答える圭。
着信はおばあちゃんの携帯からだった。

 

電話に出た圭が無言でいると「おいババア!やつがどこに行ったか本当は知ってんだろ!」と、声が聞こえてくる。

圭を撃った北が、おばあちゃんを監禁して圭の居場所を聞き出そうとしていた。
状況を理解した圭は、面倒くさそうに「先行ってて」と攻に言い、村へと引き返す。

 

この北って人、実はグラント製薬の株に、自分の年金や蓄えを突っ込んでいたらしい。
それがあの爆破事件でパアに。
その怒りの矛先を、亜人(圭)に向けただけだという。

 

おばあちゃんに「てめえも亜人なんだろ!」と、銃を突きつける北。
その時、外で物音がして北は様子を見に行くが…一発銃声がして、北はそれから戻ってはこなかった。
(直接の描写はないけど、圭が自殺にみせかけたよう)

 

他人がどうなろうと知ったこっちゃない、と言っていた圭だったが、結果おばあちゃんを助けたことに。

 

 

それから攻の元へ戻り、研究所脱出の時と同じ要領(海に飛び込み潮の流れを利用する方法)で移動する。

こうして圭と攻、性格正反対の亜人コンビが結成された!
…大丈夫か(;´∀`)?

 

永井圭と中野攻

AJIN.comでは佐藤の第2ウェーブの開始が発表されていた。

亜人への人体実験・研究にかかわった11名を、これから暗殺していくという。
そこには亜人管理委員会の『戸崎』の名前があった。

 

行動を共にすることになった圭と攻だったが、お互い性格や考えが全く違う。
合理的で頭脳派の圭と、直情型で肉体派の攻。

 

周りに人がいる中で堂々と「おい永井!」と呼びかける攻に、「バカは死んでも治らないのか」と頭を抱える圭。
攻はともかく、圭は全国的に顔と名前がバレてるからねw

 

 

盗んだ車に乗り、これからどうするか攻が尋ねると、「めんどくさくなってきた」とやる気をなくす圭。
現状では勝ち目はないと説明し始める。
いくら自分達が不死身の亜人とはいえ、佐藤にはそれを遥かに上回る人員・物資・経験があるという。

 

そこで今やるべきことは、仲間を探すことだという結論に。
仲間の心当たりがあった攻は、いきなり車を走らせる。

着いた場所は、前に佐藤が亜人の集会をした建物だった。
攻を助けた消防士の男は、佐藤らに捕まりドラム缶に入れられていたが、今は誰もいない。

 

その時、圭のスマホに新着メールが届く。
実は、興信所に亜人管理委員会の身辺調査を依頼したという圭。

「そんな金よくあるな」の攻の言葉に、「おばあちゃんのキャッシュカードを持ってきたからな」って…おい!何やってんだ( ゚Д゚)

 

身辺調査をした中で、圭が選んだ男が戸崎だった。

調査内容の戸崎の個人情報、経歴を見て面白がる圭。
戸崎は婚約者が意識不明の重体、その医療費を自分で負担している。

「ハハハッ、ちょっとやそっとじゃ払い続けられる額じゃないぞ!」と笑い、主人公とは思えないゲスい表情の圭。ほんとゲスい!

 

さらに圭は戸崎について、恋人という付け入る弱みがあると考える。
「コイツと組むぞ」と攻に言う、この時の圭の目が冷たい。
ここは圭の合理さと冷淡さがよく表れているところだと思う。

 

面白がっていた圭に対して「何が楽しいんだよ」と指摘する攻。
指摘されて、はっとなったように圭の表情が変わる。
そして、視線が別の方へ向く。

 

 

ここで話がちょっと前の場面に戻る。
夜の街で移動のための足を探そうという二人。

「車の免許持ってるか?」の圭の問いに、攻は「ないけど、フォークリフトも動かせる」と答える。
攻は中卒で高校は行かず、現場で働いていたらしい。

 

一軒の居酒屋を見つけると、「ちょっと待ってろ」と言い、攻は中に入っていく。
残された圭は、2時間経っても出てこない攻に痺れを切らし、窓から中の様子を覗く。

 

そこで圭が見たのは…客の男達と楽しそうに会話をしている攻の姿だった。
圭はその様子を黙って見守っていた。

バカだと見下していた攻の意外な長所を見て、見直したのか。
他人を信用できないと考える自分と比べて、攻の事を羨ましいと感じたのか。

圭の台詞や心情が出ないので、どう思っていたかはわからない。
でも、このコマはすごく良い。

 

 

一緒に飲んだ男から車のキーを受け取った攻。
結局まあ、車盗んで使うことになるけどね。
酔ってるらしい攻と、「お前飲んでるだろ」ってツッコむ圭とのやり取りが面白い。

 

僕らは同類だ!

公務中の戸崎は、ニュースでAJIN.comの殺害リストに載っていた二人が暗殺されたと報道を聞く。

佐藤は確実に勢力を拡大させている。
上に報告するが「亜人と言えど幾人かの人間に過ぎない」と、大臣は敵を侮る。

 

いつもの対亜人会議のメンバーで集まるなか、殺害リストに載っていた研究センターの岸先生が来ていないという。

ちょうどそこで、岸先生が暗殺されたと曽我部から知らせが入る。
殺害がリストの順番通りではなく、ランダムに行われていることが判明。

 

自分の身にも、亜人の影が忍びよっていることに気付く戸崎。

ここで突然、戸崎の私用の携帯が鳴る。
電話の相手は永井圭で、テレビで警察とのカーチェイスの様子が報道されていた。
途中でバッテリーが切れて会話が中断してしまうが、戸崎は圭らがどこに向かっているか理解する。

 

戸崎の婚約者が入院している病院に戸崎、泉、そして戸崎が雇った黒服の男4人が向かう。

 

 

病院では圭と攻が目的の病室へと走っていた。
戸崎と一対一で交渉するという圭。
いざとなったら黒い幽霊を使ってくれと圭が言うが、攻は「俺アレ、出せねーぞ」と答える。

みんながみんな、幽霊を使えるわけじゃないらしい。

圭は「どっちにしろ隠れてろ」と攻に言う。

 

 

そして、婚約者がいる病室で圭と戸崎らが集まった。
ピリピリと緊張感ある空気。
「あなたの顔なんて二度と見たくありませんでしたよ」と圭。
「残念だが、我々は毎日顔を合わせることになる、ガラス越しでな」と戸崎。

 

捕まえる気なら眠る前に幽霊を放つと圭が言い、緊迫した会話が続いていたところで…
天井に隠れていた攻が二人の間に落ちてくる!

とっさに銃を構える戸崎や黒服らに、撃つな!と制止する圭。
攻はこんなこと(婚約者を人質にする真似)しなくていいだろ、と圭に言う。

 

何が目的だと尋ねる戸崎に、圭は少し間を空けてから「夏だ」と答える。

え?夏??
最初読んだ時、意味がわからなかった…。
これは圭のまわりくどい表現だった。

 

夏。
高校の授業風景を思い出して、退屈で平凡な生活だったけど、それが良かったと懐かしむ。

亜人だとわかってから、静かな生活が変わってしまった。
こんなはずじゃなかった。

それは戸崎にも言えることで、戸崎にも婚約者との静かで穏やかな暮らしがあったはず。

 

「僕らは同類だ!」と言う圭。

 

そこで攻が「何が何でも佐藤を倒してみせる」戸崎の婚約者のためにも、と言う。
不死身の兵士として、戸崎の駒になると宣言する圭。

 

 

病院の外で待機していた警察官らに、容疑者は確保したと報告する黒服の男。
「本当に永井圭でしたか?」という警察官の問いに、「いや、別人だ」と答えて病院を去る黒服の4人。

 

戸崎の車には、圭と攻が同乗していた。
そこで圭は、カーナビに映る日付けを見て、もう夏休みが終わっていたことに気付く。

 

まとめ

5巻もなかなか濃い内容ですね。
前半は佐藤らの激しいバトルで、後半はヒューマンドラマでしょうか。

 

SAT50人相手に佐藤無双を繰り広げる辺りはさすがです、佐藤さん。
前巻から佐藤らが大きく動き、後半は圭や攻らがやっと動き出します。

 

はじめは佐藤と戦うつもりがなかった圭が、攻と協力することになり、戸崎の駒となることを決めます。
これでどうにか、チーム戸崎VSチーム佐藤の構図ができましたね。

 

この5巻での23話は、圭の複雑な性格がよく表れています。

戸崎の戦う事情を嘲笑ったり、恋人を付け入る弱みと考える非情さを見せたり。
かと思えば、居酒屋で自然と人の輪に入れる攻を見る複雑な表情だったり…。

この圭のややこしい性格については6巻でも出てきます。

 

『亜人』はキャラの心理描写が、台詞も少なく淡泊ですけど、表情とか空気で語らせますね。
キャラについても考察書いていきたいです。

 

続きはこちら。
亜人6巻のネタバレ感想【合理的な圭の内面について】

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