永井圭が佐藤ら亜人テロリストの要撃の舞台に選んだのは、
佐藤が公表した殺害リスト11名の中の2名が勤めるフォージ安全の本社ビル。
テロは決行され、同時に圭が指揮する要撃作戦が開始された。
(桜井画門『亜人』8巻より)
どうも、くろやんです。
既に、このブログで8巻のネタバレをくどい程書き尽くしています。
何を書こうか悩んでいたところ、限定版DVDのことを思い出しました。
8巻のざっくりとしたあらすじと見どころ、限定版DVDのことを紹介しようと思います。
以下、8巻と限定版DVDのネタバレを含みます。
8巻のあらすじ
8巻はFILE:34~FILE:38が収録されています。
(本誌ではFILE:35が半分に分けて掲載されていました)
亜人テロリスト佐藤ら。
対する、永井圭を含めた亜人と人間混合の戦闘集団。
両者の戦いは、フォージ安全ビルで繰り広げられることになりました。
フォージ安全の社長と秘書を暗殺するため、ビルに侵入してきた田中達。
佐藤が今回の暗殺に参加していないことを確認した圭は、田中達を捕獲し、佐藤を引きずり出すと戸崎に提案する。
対佐藤らに向けて圭が考えていた作戦とは、IBM粒子を活用して敵の視覚を奪うというもの。
亜人の田中達は室内を覆う大量のIBM粒子によって、視界が見えなくなり狼狽えてしまうが、人間の平沢達にはそのIBM粒子は見えない。
最後、平沢らが麻酔銃を撃つ鍵となり、捕獲作戦は見事成功する。
佐藤を引きずり出すため、圭は自身の姿をセキュリティ・サーバー室にいる奥山に晒す。
それを見た奥山は佐藤に連絡。
田中達が捕まり、永井圭がフォージ安全ビルにいることを知った佐藤。
この後、予想外の侵入方法でフォージ安全へとやって来る。
研究所以来、再び対峙することになった圭と佐藤。
しかし佐藤は圭と戦うことなく、ルールは変えず、このまま甲斐敬一と李奈緒美を暗殺しに行くと告げる。
さらに社長室を目指す途中で、佐藤は拘束されていた田中達を逃がす。
それぞれの想いが交錯し、ビル内で戦闘が勃発。
亜人VS亜人、亜人VS人間の死闘が始まる。
8巻はこんな流れで、7巻から引き続きフォージ安全ビルが舞台となった巻になります。
動きのある戦闘シーンと動きの少ない心理描写や説明の場面と。
圭側と佐藤側、色々なキャラの視点で変わりながらストーリーが進んでいきます。
佐藤さんは気にしない
8巻の中でもやはりインパクトがデカいのが、佐藤の予想外の転送方法。
これは亜人じゃないと出来ない上に、亜人でも躊躇う方法ですね。
最も大きな肉片を核に再生する亜人の性質を利用したもので、佐藤はこの方法を「転送」と言う。
まず、フォージ安全ビルに揚げ鶏(手羽先)を送ります。
この時、自分の切断した左手首も一緒に紛れ込ませる(ちゃんと一緒に衣を付けてカラッと揚げてるw)
ビル内で社員達が手羽先を皿に出し始めた頃、佐藤は木材破砕機に飛び込み、身体を5センチ四方に細かく刻む。
最も大きな肉片である手首を核に、佐藤の身体が再生。
こうして佐藤は、フォージ安全ビルへと侵入を果たす。
この転送で佐藤は頭も新しく再生されたため、断頭と同じ要領でこれまでの佐藤は死んだことになります。
新しい頭に以前と同じ記憶や心は作られるが、意識までは移っていない。
『これまでの自分が死ぬ』という普通の亜人でもやろうとは思わない手段を、佐藤は迷うことなく実行する。
「死んだんだぞ!?」と驚きを隠せない圭に対して、佐藤が返した言葉がこれ。
自分が死んでも気にしないらしい。
佐藤さん、どんなメンタリティー( ゚Д゚)??
もう亜人だからどうとかいう問題じゃない。
改めてスリルを求めるクレイジーな佐藤さんらしい転送方法でした。
この手羽先転送を見て以来、手羽先という文字を見ると、佐藤さんの揚げた手首が頭にちらつくようになりました。
手羽先を食べながらこのシーンは読んじゃダメですね。
佐藤が送った揚げ鶏の袋にある文字。
【手料理 おとどけねっと。余分な手を一切加えずまごころ込めて…】とあります。
これを佐藤さんがまごころ込めて作ったかと思うと、恐ろしいやらコミカルやら。
それにしても、社員達がすぐに揚げ鶏を食べようとしたから良かったけど、もし食べずに冷凍庫に入れていたらどうなってたんだろう。
田中の心の動き
もうひとつ8巻での見どころというか、今後どうなるのか気になっている内容。
34話で社長室に襲撃に来た田中は、秘書の李に憎しみを込めた目と銃口を向ける。
しかし、ここで彼女に「あの時は…ごめんなさい」と、思いがけない言葉を言われる。
その謝罪と涙を流して無抵抗な李を見て、田中は引き金を引くのを躊躇ってしまう。
田中の迷いや葛藤が表情に表れています。
その後、田中達は一度拘束されてしまうが、佐藤によって解放される。
「少しやりたいことがある」と言って高橋らを先に逃がし、一人ビルに残った田中。
田中が言っていたやりたいこととは…?
泉との戦いで田中は「10年間、俺は実験施設にいた」と話します。
それだけ長期間、非人道的な人体実験を受け続けていたとしたら、田中の憎しみは相当深いもの。
人体実験をした人間らに復讐しようと考えるのも、おかしくはないと思います。
そんな中、田中は復讐の標的であった李に予期せず謝られてしまう。
李自身も7巻で「私は狙われて当然…」と言い、さらに甲斐が一人セーフルームに隠れた後も、「私は…隠れませんから」と言う。
逃げようとせず田中と向き合い、謝った李の言葉は本心からのものだったでしょう。
それを受けた田中は、自分がどうすべきなのか迷いが生じる。
田中が今後どういった行動を起こすのか。
戦いの行方と共に、こちらの内容も気になるところ。
限定版DVD「中村慎也事件」のこと
8巻限定版には、中村慎也事件をアニメ化したDVDが付いてきます。
予告動画がこちら。
(「亜人」原作コミック第8巻DVD付き限定版PV)
大学生の中村慎也は、友人の良太、絵美に誘われてバイクで目的地まで走っていた。
雨の中、猛スピードで走るバイクであったが、
気を取られた中村慎也はバランスを崩し激しく転倒し、死亡してしまった。
しかし、血にまみれ欠損した右腕から黒い霧が発生し、
再生した右腕を見た中村慎也は自分の置かれた状況に茫然する…
一連の亜人関連事件の原点がここに――。
このあらすじ文で気になる箇所が。
友人の良太とあります。
良太…?良太といえば、山中のおばあちゃんの孫も良太。
たまたま名前が一緒なのか。
本当に孫の良太だったのか。
DVDを観たけど、真相はわかりませんでした。
原作では、慎也がバイク事故を起こした後の場面から始まりますが、アニメでは、このバイク事故を起こすに至った経緯が補足されています。
まず、大学で友人の良太に「家で誕生日パーティーやるから来いよ」と誘われる。
慎也は電車で行こうとするが、忘れ物を取りに帰っている内に間に合わなくなってしまい、結局バイクで行くことに。
スピードを上げて走っていたところで携帯が鳴り、さらに前から走る車のライトが見え、慎也はそれらに気を取られてしまう。
そしてバランスを崩して転倒し、ガードレールにぶち当たったという流れです。
細かい設定は他にも色々ありますが、特に注目した原作との違いがポケットティッシュと慎也の叫び声。
原作で祐介が慎也に渡したポケットティッシュの広告をアニメでやるのがマズかったのか?
アニメでは、なぜか「グラント製薬」の文字が書かれたティッシュ。
よりによってグラント製薬って(;´∀`)
この原作との違いは、最後の慎也がタクシーに乗ったシーンでも同様に出てきます。
あと、木戸らが慎也を捕まえに来て、ヘルメットに残っていた以前の慎也の頭部を見せたシーン。
原作では慎也は絶叫しているが、アニメでは慎也は叫んでいない。
よく考えると、慎也が大声を出したら耳栓をしていない人間の木戸らは動けなくなってますね。
その辺を考慮した変更かもしれないです。
他にも、大学で慎也が祐介を待っている間にやっていたゲーム。
確か、アニメで佐藤さんや田中がやっていたゲームと同じ物のような気がする。
これはおまけ要素でしょうか。
アニメの中で慎也は単位を落としそうになったり、絵美に好意をもっていたりと。
亜人中村慎也も、普通の大学生としてこれまで生活していたという点を強調していました。
まとめ
8巻の重要なキーワードは手羽先と転送。
佐藤さんの転送は色々な意味でインパクトありすぎる。
あれは人間も亜人も実行しようと思わない。
佐藤さんのブレないメンタリティーは羨ましいですが、さすがに木材破砕機に飛び込むことはできません。
佐藤さんが来てからハードプレイになり、ビル内で戦闘が勃発するようになります。
アクションも相変わらず、亜人らしい戦闘シーンが多いです。
そして、これまで戦闘が少なかった泉さんの意外な戦う姿が見られます。
まさかのかっこよさ。
それぞれのキャラの想いが交錯する中、迷いを見せる田中の心情や、圭の非情な発言の中に隠れる本心など、心理描写もまた見どころです。
簡潔にあっさりとストーリーが進む亜人にしては珍しく、フォージ安全ビルでの戦いは7巻から始まり、今後もまだ続いていく模様。
やはり今回の戦いが最終ステージとなり、物語が終わりに向かっているのでしょうか。
ただ、長丁場になっていくと中だるみが心配といえば心配。
私が懸念したところで、どうもこうもありませんが(;´∀`)
まだ回収されていない伏線や海斗(カイ)のこともありますし。
10巻ぐらいで終わるかと思ってましたが、もう少し続きそうな気もしてきた。
この戦いにどう決着がつくのか。
本誌を追いながら、見届けようと思います。
8巻の続き、good!アフタヌーン本誌ネタバレはこちらです。
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