(桜井画門『亜人』6巻91p)
くろやんです。
『亜人』において唯一の紅一点、下村泉さんの話をしたいと思います。
ほんと何で亜人って女性が少ないの?
もうちょっといてもおかしくないよね?
不思議だ…(´・ω・`)
6巻では戸崎と出会うまでの、泉さんの過去が明かされます。
何ていうか、過去が暗くて悲しいです。
亜人ってシリアスが多いですもんね。
そこがわりと好きですけど。
以下、6巻ネタバレの内容含みます。
プロフィール
亜人管理委員会の戸崎の部下、下村泉さん。
作中唯一の女性の亜人です。
たぶん年齢は21~22歳くらい。
左目の下に泣きぼくろがあります。
仕事に対して真面目で、口数は多い方ではなく淡々としています。
クールかと思えば、1巻で慧理子の聴取の時にうっかり口が滑ったと感じて、赤くなったりする可愛いところも。
(桜井画門『亜人』1巻162p)
彼女実は偽名で、本名は田井中陽子(たいなかようこ)と言います。
兵庫で母親と養父と暮らしていました。
本当の父親は高校1年の時、事故で亡くなったようです。
6巻では彼女の高校生の頃の話が出てきます。
今より髪が長くて高校生らしい感じです。
まだ本人も自分が亜人とわからなかった、そんな頃の話です。
田井中陽子
高校生の陽子はコンビニでバイトをしていました。
勤務態度も真面目で、働いた給料も毎月コツコツと貯金している陽子。
彼女は高校を卒業したら、家を出て自立したいという夢がありました。
陽子の家の経済状況は貧しく、電気代の支払いが滞り、電気が止められることも…。
スナックで働く母とヒモのように暮らす養父。
陽子は母に金をせがむ養父に対して、良い感情を持っていません。
そんな養父と一緒にいる母に不満をもらすこともありました。
100万貯金して、この家から出ていく。
それを目標にして、彼女は日々頑張っていました。
学校の昼食もパン1個という倹約ぶり。
友達に体調を心配される陽子、頑張り屋で健気すぎる…。
(桜井画門『亜人』6巻100p)
そんな時、学校で付き合っていた彼氏に「高校を出たら一緒に住もう」と、言われます。
やっと陽子にも、これから明るい未来が訪れるかと思ったら…。
亜人とわかる日
貯金額も86万になり、目標にしていた100万に近くなってきた、ある日。
彼女の通帳からコツコツ貯めた86万がおろされていました。
養父が勝手に借り、しかも女に使ったそう。
怒った彼女は、母親の働くスナックに行き、我慢していた想いをぶちまけます。
どうしてあんな男が一緒にいるのか、私だけでいいのに…と。
その後、陽子は彼氏の家に行きますが、まだ帰宅していない様子。
帰ろうとした陽子の目に、彼氏と学校の友達がキスしている姿が映ります。
(桜井画門『亜人』6巻106p)
彼氏にも友達にも裏切られ、その場から走り去る陽子。
雨に打たれながら家に帰って来た陽子は、洗面所でハサミを使いリストカットをします。
何もかもに怒り絶望している様子が悲しい…。
そこに養父が帰って来ます。
下着姿だった陽子の体を見て、養父は手を出そうとする。
とっさに、ハサミで養父の肩を突き刺す陽子。
だが、逆上した養父に陽子は洗面台に頭を打ちつけられ、殺されてしまう。
亜人だった陽子は生き返り、しばらくして目を覚まします。
別の部屋で、養父と母親が「陽子の体は金になるから、もう働かなくてもいい」というような話をしていました。
それを聞いて、何も告げず家を出ていく陽子。
悲しいすれ違い
その後、彼女は生きるために自分の体を客に売る生活を始めます。
狭い一畳のスペースで寝泊まりする陽子。
携帯の日付けを見て、彼女は自分が20歳になったことを知ります。
ということは、家を出てから2年ぐらいこんな生活してたのかな…。
あの死んで生き返った日から、陽子の前には時々黒い幽霊(IBM)が現れていたらしい。
現れた幽霊は、体を丸めて横になっていた陽子を慰めるように抱きしめます。
(桜井画門『亜人』6巻119p)
このコマは涙出てくる。
この頃の幽霊は、圭と同じような形をして今の幽霊と少し違う。
そんな生活を続けていた陽子は、とうとう病気で倒れてしまう。
病院に運ばれたが、すでに状態が悪かったようで、もう長くもたないと診断されます。
そこに、『亜人不確定者がいる』との情報を聞いた戸崎がやって来ます。
陽子は自分が亜人ということも、亜人という存在のことも知りませんでした。
母親の名前を聞きたくないと言う陽子。
そんな陽子に、母親と養父が亡くなったことを戸崎は伝えます。
娘を売ろうとした罰だと、陽子は思っていましたが、本当は違っていました。
あの時、陽子が死んだあと、急いで母親が家に帰ってきます。
二人の目の前で生き返る陽子。
陽子が亜人とわかり、多額の賞金が得られると思った養父は、陽子を政府に渡そうとします。
その会話の一部を聞いた陽子は、養父と母親が一緒になり自分を売ろうとしたと思ったよう。
実はその後、娘を守るため、母親は通報しようとした養父を包丁で刺し殺します。
(桜井画門『亜人』6巻130p)
そして、もみ合った末母親も刺されてしまい…二人とも亡くなることに。
その通報の録音には、「ごめんね…陽子」という、母親の最後の言葉が残っていました。
ほんと悲しいすれ違いだよ…。
しばらくして、病院で息を引き取る陽子。
亜人じゃなかったかと、立ち去ろうとした戸崎の前で、陽子は再び生き返ります。
本来、田中や圭と同じように政府に捕まるところを、戸崎と個人的な契約を結ぶことで陽子は免れることに。
それは『亜人の未知の脅威から戸崎を守ること』という契約でした。
こうして新しい経歴『下村泉』として、彼女は戸崎と行動を共にすることになります。
この偽名、実の父親の姓と母親の旧姓を合わせたものらしいです。
まとめ
泉さん…(´;ω;`)
この泉さんの過去、暗いし悲しいしで読んでたら切なくなります。
『亜人』はつくづくキャラに過酷な運命を与えるね、そこが好きだけど!
病院で戸崎と会話する時の描写、彼女の目がよく描かれてます。
亜人に出てくる女性キャラは、目が特徴的な女性が多いと思う。
泉さん今も昔も仕事に淡々と取り組んで、根が真面目なんでしょうね。
でも、戸崎に電話で起こされて、ベランダでちょっとけだるげにタバコ吸うところも人間らしくていいと思います。
泉さんが明るく笑える日が来るといいな。
他の6巻内容ネタバレはこちらです。