3月のライオン7巻のネタバレ感想【ひなの『いじめ』の決着、新人戦記念対局と棋匠戦に向けて】

3月のライオン

(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

もう10月になってました。
アニメ放送まで、あと少しとなりました。
くろやんです。

 

そういえば、最新刊の12巻が発売されましたね。
まだ読んでいません。
11巻まで感想を書き上げてから読もうかなと思っています。

 

『3月のライオン』7巻のあらすじや感想、見どころなどを紹介していきます。
前回6巻のネタバレ感想はこちら。
3月のライオン6巻のネタバレ感想【居場所を勝ち取るために戦っているんだ】

 

7巻はこれまで続いていた、ひなの学校でのいじめの決着と、新たに始まる大きな対局に向けてです。

 

 

以下、7巻のネタバレを含みます。

 

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魔のループ

新人戦の決勝戦が行われた大阪から、修学旅行中のひながいる京都にやって来た零。
一緒に行動する友達がいなくて一人でいたひなは、零が来てくれたおかげで一人ぼっちじゃなくなりました。
自由行動の間、一緒に過ごすことにした零とひな。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

いや~青春ですね。
この二人の後ろ姿が色々な気持ちを物語っています。

 

零が渡した胃薬は、胃を痛めていたひなに効いたよう。
そして、薬だけじゃなく零の存在も、ひなにとっては安心できるものとなりました。

 

 

その後、新人戦&修学旅行から帰って来た零とひな。
修学旅行に行く前のひなに、零はある約束をしていました。
「お腹痛くなくなったら、皆で甘味屋さんに行こう。好きなものみんな全部のせていいから」

 

さぁ、その約束が果たされる時がやって来ました。
甘味屋さんにやって来た零と川本三姉妹、おじいちゃん。
零の「心ゆくまで、のっけちゃって下さい」の言葉を合図に、次々トッピングを足していく姉妹達。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

どんだけ盛るの!?
どこまで盛っていくの!?

 

さらに、おじいちゃんが注文した『磯辺焼き』と、零が注文した『力うどん』にも反応する姉妹。
最終的に、メガ盛りのあんみつと磯辺焼きと力うどんを食べたそう!

男二人は「女って恐ろしい…」と、恐怖した様子。
うん…いや、ホントにね。すごいよね。

 

 

これは二人曰く、魔のループらしい。
甘い物としょっぱい物。
あんみつ⇔磯辺焼き

冷たい物と温かい物。
アイス⇔力うどん
これを繰り返し交互に食べることで、どこまでも行けるらしい。

 

 

なんか…分かるような気がする…。
甘い物を食べた後って、しょっぱい物が食べたくなるんですよねぇ。
冷たい物を食べた後は、温かい物が欲しくなるし。
魔のループ(食の連鎖)、恐るべし!

 

明るいところへ

新人戦を勝ち進み、6巻最後で見事『新人王』を獲得した零。
学校に行くと、林田先生を含めた将科部一同から、ささやかなお祝いパーティーをして貰うことになります。

 

メニューは野口先輩手作りのジンジャーエール、物理準備室の冷蔵庫で育てたカスピ海ヨーグルト、収穫(?)したての新鮮納豆の白玉あえなど。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

何だろう、この空気は。
「むはんぬ」ってw
初めて聞いたよ、そんな擬音。

 

零が新人戦決勝で対局していた様子を、将科部一同&林田先生はネット中継で見てくれていたそうで。
林田先生も将科部のみんなも、自分のことを応援してくれていた。
そして、勝ったことを心から喜んでくれている。

 

そのことを実感した零は、お祝いパーティーの途中でトイレに行き、こっそりと涙を流します。
少し前まで一人ぼっちだった自分が、学校に居場所が無かった自分が…いつの間にか、大切な居場所が手に入っていた。

暗いところから、明るいところに出てきていた。
思わず、嬉し泣きをしてしまった零。

 

 

いやぁ~零が明るくなってきて良かった。
…と思ったのも束の間。
3年生だった野口先輩達は、夏休みが終わったら受験に専念するため、部活を引退するそう。

 

また部員がいなくなってしまって、部活は存続の危機。
そして、零は元のロンリーボーイに戻ってしまうのか…。
しかし!あっさりと入部希望者が集まったのでした!

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

校長先生&教頭先生。
生徒じゃない、教師だよ。
しかも、校長と教頭だよ。
ここに学年主任の先生も入部するらしい。
もう…どこからツッコめばいいかw

 

予想外の新入部員参入によって、部活は無事存続することになりました。
そして将科部改め、『将棋部』となったそうです。
大物揃いとなった将棋部(これはもはや将棋教室)

 

零の学校生活は、一体どうなってしまうのか!?
それにしても、平均年齢が一気にグンと上がってしまった渋い部活ですね。

 

闇が晴れて光が戻る

今回の7巻で、ひなの『いじめ』問題がついに終わりを迎えることになります。
修学旅行から帰ってきてから、クラスの風向きが少し変な方向に変わっていくことに…。

 

今度は先生に矛先が向くようになり、授業で使用する年表が隠される事件が起きます。
隠されていた年表を無事探し出して先生に手渡す、ひな。
しかし、いじめの首謀者だった高城という女の子が「ホントは川本さんが隠したんじゃない?」と、ひなの陰口を言います。

 

ひなが高城に詰め寄ると「川本さん、やめなさい!」と、逆に先生がひなを止めます。
教師生活で繰り返し、何度もこうした『いじめ』の現場を見てきた先生は、高城達がいじめをやったということも解っていました。
しかし、堰を切ったように、生徒達への愚痴や文句を言い始める先生。

 

最後に先生はストレスで倒れてしまい、以降学校に来なくなってしまいます。

 

新しい担任の先生が決まるまで、学年主任の先生がひなのクラスを担当することに。
さらに状況を整理するため、それぞれの親が呼ばれることになり、とうとう三者面談が始まります。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

あかりさんがひなと一緒に学校へ向かい、三者面談が始まろうとした時。
廊下で高城の母親達と出くわします。
言い掛かりをつける高城の母親に、あかりさんも対抗しようとするが、「ウチの娘がやったっていう証拠は!?」と、言い返されてしまいます。

 

高城達が『いじめ』をしていたという証拠はない。
「いじめがあった」と口に出せるのは、被害にあった人間だけ。
学年主任の先生は、誰が嘘をついて誰が本当のことを言っているのか、お互いの家族のやり取りを見て、全て理解していました。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

学年主任の先生、なかなか良いキャラ。
教師と思えない毒を含んだような悪い表情と、本質を突いた言葉。
ちょいワルな匂いを感じる先生です。

 

反論しようとした高城の母親に、「じゃあ、川本が嘘をついているって証拠は?」と、逆に問いかける先生。

この学年主任の先生が、クラスで起こっていた『いじめ』の現状を把握してくれたおかげで、ひなの『いじめ』問題が幕を閉じることになります。
しかし、いじめを行った高城達は一応謝ったものの、それは心からの言葉ではない。

 

 

何だかやり切れない終わりになってしまうのか…と思っていたら、最後にひなの元に、ちほちゃんからの手紙が届きます。
引っ越した先で、まだ同年代の友達は作れないけど、元気に暮らしているという近況報告でした。

 

ちほちゃんからの手紙を読んで、涙を流すひな。
「夏休み、遊びに来ませんか。待っててもいい?」という、ちほちゃんからの言葉。
ホロリと泣ける終わりでした。

 

5巻から始まった、ひなの戦いは終わりを迎えることになります。
最後までひなは「生きて卒業さえすれば、私の勝ちだ」と、いじめに真っ向から立ち向かっていました。
その意志の強さと勇気に拍手を送りたい。

 

若さと華のある(ない)対局

次回の8巻でメインとなる大きな対局がふたつあります。
それは新人戦記念対局棋匠戦です。

 

新人戦記念対局は、新人王を獲った零VS宗谷名人の対局。
棋匠戦は、挑戦者となる島田VS柳原棋匠の対局。

このふたつの対局のことで、神宮寺会長と柳原棋匠が色々話をしてるんですが、主な内容はポスターとスポンサーのことです。

 

 

一方は、若さと華がある零と宗谷名人の新人戦記念対局。
新人王を獲った人間は、その後名人になるケースが多い。
さらに、お互い中学生でプロ棋士になったという共通点もある、話題の二人の対局ということで…。
将棋連盟としても盛大に盛り上げるため、ポスターにもお金を掛けて気合いを入れているそうです。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

片や、若さと華のない地味なオッサン二人の対局。
「華のある櫻井七段が挑戦者になっていたら、取材陣も沢山来てスポンサーも付いていたのに…」と、愚痴を言う会長達。
柳原棋匠にとっては永世がかかっている大事な棋匠戦であるにもかかわらず、こちらの棋匠戦のポスターは地味~んな仕上がり。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』7巻)

 

この辺のやり取りが、もう不憫やら笑えてくるやら。
「ひどいよ!俺、棋匠戦永世かかってるんですけど!?」
「今不景気でスポンサーつかなくて、こっちだってカツカツなんだよ!」
年甲斐もなく言い合いする神宮寺会長と柳原棋匠。

 

慢性胃炎(胃潰瘍寸前)と老人性肺炎一歩手前の戦い。
棋匠戦一局目は、ザ☆病弱対決のガタガタのものだったらしい。
次の8巻へと続く新人戦記念対局と、病人対局それぞれの戦いの行方はどうなってしまうのか。

 

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まとめ

7巻の見どころは、何と言ってもひなの『いじめ』の決着ですね。
ちほちゃんの件から始まり、その矛先がひなに向かって、クラスの一部の女子から嫌がらせを受けるようになっていました。

 

今回ようやく、学校側が本気でクラス内部の実状に介入してきて解決しました。
ここで出てきた学年主任の国分先生。
見た目ちょい恐い。
でも中身は、かなりやり手の教師。

 

長いこと教師生活をしてきて、色々な生徒達を見て、いじめの現場も何度も見てきたんでしょう。
本質を鋭く捉えた台詞が多い国分先生。

「『教育』とは、うまい事言ったもんだよ…『教える』に『育てる』か…『育』の字が無けりゃ、とっくに放り出してるぜ」
国分先生のこの台詞は、教育者としての複雑な想いが込められていますね。

 

 

今回も濃い内容と名言が多くて、どれをピックアップするか迷いました。
ホントに心理描写が濃いんだもんなぁ。
個人的に、チャプター64の山崎順慶の台詞が印象深いです。

 

「信じれば夢は叶う。それは多分、本当だ。但し一文が抜けている。信じて努力を続ければ、夢は叶う。これが正解だ」
シビアな台詞ですが正論。
勉強もスポーツも何事も基本は努力。

さらに、「信じて他のどのライバルよりも1時間長く、毎日努力を続ければ、ある程度迄の夢は、かなりの確率で叶う」とか容赦ない真理で、どんだけシビアなんだろうと渋い顔で読んでしまった。

 

やっぱりこの漫画は、心理描写や台詞が独特で奥深い。
あと、林田先生が零に言った台詞。

「結果は大事だけどな、人に伝わるのは結果だけじゃない。世界は結果だけで回ってるんじゃないんだよ」
これ名言だと思う。

 

7巻も零やひな達、林田先生や国分先生など、『いじめ』に関わった人間達のドラマが濃い巻でした。
それと棋匠戦の対局のことが、やたらイジられて笑いもあって、そのバランスが絶妙でした。

続きはこちら。
3月のライオン8巻のネタバレ感想【老棋士のたすきは重く手離しがたいもの】

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あの漫画のここが気になる!!!
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