©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
珍しく感想が早く書けた。
次回も早く書けるといいな。
第5話の感想です。
Chapter.9 契約
Chapter.10 カッコーの巣の上で
以下、アニメ第5話と原作1巻のネタバレを含みます。
契約の瞬間
あかりに頼まれてモモを保育園に迎えに行った零だが、帰り道で転んだモモが怪我をしてしまう。その手当てをしながら、零は幼い頃に家族を亡くした日のことを思い出す。
突然の事故によって失われた両親と妹、暖かな家。
葬儀の場で孤独にたたずむ零に声をかけたのは、父の友人でプロ棋士である幸田柾近だった。
「君は……将棋、好きか?」
(アニメ公式サイトより)
今回は前半・後半ともに零の過去話です。
原作1巻の最後を締めくくる話でもありますが、これがシリアスでズシリとくる内容なんですよねぇ。
5話始めは零が子どもの頃、父の友人だった幸田柾近と将棋を指すシーンが出てきます。
原作と同じですけど、アニメで背景がしっかり付くと、「こんな和室で対局してたのか」と、また違った印象を受けます。
めっちゃマニアックな感想を書くと、回想の始めと終わりでストーブを焚いて消す、細かい描写がなんか良い。
アニメでは小道具を効果的に使うなぁ。
現在に戻って、あかりさんに頼まれて、零はモモを保育園に迎えに行くことになります。
「モモちゃーん、お迎えよー」と先生に言われて、「はぁーい」と元気よく返事をするモモ。
この振り返るときのモモが、かわゆい。
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手を繋いで一緒に帰っていた零とモモですが、風でモモの帽子がコロコロと飛んでいってしまい…。
それを零が追いかけている間に、散歩中だったワンちゃんがモモをロックオン!
結果、慌てて逃げたモモは転んでしまう。
大泣きするモモ( ;∀;)あぁ…。
原作通りに、ワンちゃんの「あ…泣かせてしまいました…ゴメンなさい」という台詞もしっかり再現していました。
猫だけじゃなく、犬の気持ちまで原作に忠実!
『3月のライオン』は、動物がよく喋るね。
家に帰って、零はモモの手当てをすることに。
傷口を洗った後に消毒しようとした零は、モモの小さな傷ついた手を見て…亡くなってしまった、自分の妹と重ね合わせてしまう。
思わず、涙が溢れてきて泣いてしまう零。
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これは原作でも切なかった場面。
モモの傷ついた小さな手を、自分の亡くなった妹と重ね合わせて、思い出して泣いてしまうって…もうさぁ…胸が締め付けられるよ…。
アニメだと、かすかに零の泣いた声が聞こえて、さらに切ない。
そこから、零の過去話。
零が遠足から帰って来ると、両親と妹は事故で亡くなってしまっていた。
この時の零が、家族のことを「冷たくてかたい、まだらな塊」って表現してるのが生々しいよ…。
葬儀の席で血の繋がった親戚たちは、零を施設に入れるという流れで、勝手に話を進めていく。
そこにやって来た幸田柾近。
幸田は、零の将棋の才能を見抜いていた。
「君は…将棋、好きか?」と問われて、施設に行きたくない零は、嘘をついて「はい」と答える。
こうして、将棋の神様と契約した零は、幸田の内弟子となって、将棋の世界で生きていくことになる。
魔法少女風に言えば、ここは『僕と契約して、プロ棋士になってよ!』でしょうか。
初めは将棋が苦手だったのに、やむを得なく将棋の世界に足を踏み入れてから、もう後戻りが出来なくなってしまう。
け、契約…おっかないよ。
僕はカッコウだ
後半も、前半の続きとなる零の過去話。
将棋の家の子となり、幸田家での生活が始まった零。
そこで、同じく棋士を目指す香子と歩と一緒に生活していくことになるが…。
零との対局で負けた香子は、「いい気になんないで!ゼロのくせに!」と、いきなり零の頬を平手打ちする。
…あれ?
原作の方が、もっと勢いがあった?
もっと勢いよく激しくても良かったよ。
原作の瞬発力のある描写が、わりと好きだったもんで。
話が逸れましたね。
零を平手打ちしたことで父親に怒られて、薄いワンピース一枚で庭に出される香子。
白い息を吐いているから、外は寒いんだろうな。
にも関わらず、香子は強い眼差しと堂々とした気迫で庭に立つ。
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月明りの中、香子の嵐のような激しさがよく表れてる。
そして、この後また零に掴み掛かって行くところホントに零を殴ったよ!
原作は殴るまではいってなかったけど、本当にやっちゃうんだな。
激しいよ、荒々しいよ。でも美しい。
そういえば、今回アニメオリジナルの描写がありました。
奨励会で、零と香子が将棋を指しているシーンです。
よく考えたら、この頃は香子も将棋を指してたんだよなぁ。
大人になってからは、一切そんな描写が無くなったので、なんか新鮮な感じがします。
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昔は3人で過ごすこともあったんですよね。
それが、零が二人を将棋で抜いてしまったことで、香子は街で遊びまわるようになり、歩も部屋でゲームばかりするようになっていき…。
居たたまれない零は、ますます将棋の勉強にのめり込む。
ある日、テレビで紹介されていた『カッコウの托卵(たくらん)』を観て、自分に重ね合わせる零。
「僕はカッコウだ…おしのけた命の上に立ち、春をうたえと呼ぶ声をきく」
自虐的なポエムだよ。なんかジワジワ悲しくなるよ、桐山くん!
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そして、ここで流れるBGMがまた悲愴感漂う。
「いっそ、本当に鳥だったらと。そうしたら、こんな激しい痛み、知らずに済んだのにと」
自分をカッコウに例えて、本当に鳥だったら…と、センチメンタルな17歳桐山零は思うのでした。
今回は切ない場面が多い。
まとめ
前半・後半と零の過去話でした。
原作でもそうですけど、1巻最後にいきなり主人公の過去編をもってきてるんですよね。
事故で家族が亡くなってしまって、一人孤独になってしまって、しかも引き取られた家でも、居たたまれない思いをしながら生活しなければいけなくなって…。
重いよ、シリアスだよ。
前回4話は明るい話だったんですけど、今回は零の過去なので、どうしても重くて暗い内容になってしまいましたね。
将棋の神様と契約して、プロ棋士を目指すことになった桐山零。
♪交わした約束忘れないよ
目を閉じ確かめる
押し寄せた闇 振り払って進むよ♪
コネクトと合うな。
コラボしてみたらどうかな。
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第5話のエンドカードは、ヒグチユウコさんが描くモモと猫たち。
猫をモチーフにした絵を描く画家さんです。
検索してみたら、リアルタッチな猫の絵がちらほら出てきました。
この絵、見たことあるような気がする。
そういえば、今回もアニメで川本家の猫がかわいかった。
「んー…まぶしい」って、眠そうにしている猫の仕草がかわいかった!
シリアスな回の中で、癒しポイントだと思う。
次回からは、原作2巻の内容になります。
このペースでいくと、アニメは原作4巻終わりか、5巻始めぐらいまでやることになりそうです。
その先から原作はもっと盛り上がるけど、アニメが途中で終わるのは残念だなぁ。
続きの2期はやるんかな、どうだろう。
第6話の感想はこちら。
アニメ3月のライオン第6話の感想【みんなで一緒にご飯食べよう】