3月のライオン2巻のネタバレ感想【惑わせ毒をはらむ香子の言葉と獣の咆哮】

3月のライオン

(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

どうも、くろやんです。
『3月のライオン』2巻のあらすじや感想、見どころを紹介していこうと思います。

前回の1巻のネタバレ感想はこちら。
3月のライオン1巻のネタバレ感想【一大イベント!ひなの手作り弁当はどうなる?】

 

2巻では、いつもの川本家と零のほのぼのとした話や、それぞれの将棋に対する想い、香子の登場などが見どころです。

 

 

以下、2巻のネタバレを含みます。

 

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乙女の一大イベント再び!?

15歳でプロ棋士になった主人公の桐山零ですが。
一年目は何とか進めたものの、二年目の今年に初めて二連敗をくらってしまいます。
せっかく入り直した高校でも友達ができることもなく、将棋の対局で学校行事にも参加できず。

 

何のために高校を入り直したのか。
プロ棋士になって、その後はどうしたいのか。
零自身わからなくなり、悶々と停滞した日々を送っていました。

 

とうとう三つ目の黒星がついた時。
不調続きで気持ちが落ち込んでいた零は、街でバッタリひなと会います。

 

その流れで、零とひなはお茶をすることに。
二人で話をしていたところ、ひなの気になる高橋君が偶然店にやって来ます。

 

高橋君と話をする零。
何となく高橋君と気が合った零は、「よかったらまた話そう」と言います。

その後、零と高橋君はまた会うことになりますが…。
場所はひなの家で、高橋君も交えて晩ご飯を食べようというものでした。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

猛烈に緊張するひなちゃん。
好きな人が目の前にいるからね!
しかも、この日はいつもご飯を作ってくれているあかりさんはいませんでした。

 

さぁご飯を何にしようか、ひなは事前にあかりさんに相談していたようで。
「カレーはどう?」という、あかりさんのアドバイスに「えー普通っぽすぎるー」とひな。
1巻のお弁当の時と同じ展開にw

そこで、最後にあかりさんが一押し。
「おまけで唐揚げと温泉卵をカレーにトッピングすればいい!」
そうすれば豪華!

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

かなりボリューム溢れる豪華なカレーとなりました。
カレーと唐揚げと温泉卵ってどんな感じになるんだろう。
お、美味しそう…食べてみたい。

 

高橋君には好評だったようです。
ひなも一安心、よかったね。

 

 

さて、そのあと高橋君の提案で、零が対局したビデオを皆で観ることになります。
ひなやモモには、零は自分がプロ棋士だとは言っていなかったようで、ここでバレてしまいます。

零のやっている将棋に興味を持ったひな。
「私にも将棋教えてくれる?」と、零に言います。
自分のいる世界に興味を持ってもらい、嬉しいと感じる零。

 

ひなの家で将棋を教えることになりますが、そこになぜか零のライバル(親友)二海堂も一緒に来ることになります。
ひとまず、基本的なルールを説明し始めた零ですが…。

 

淡々と「この縦9×横9の81マスの盤の上でお互い8種類20枚ずつの駒を使い…」と、ひなに説明をする零。
教科書のような生真面目な説明に、「ちょっと待て、固い!固いよ桐山!」と、思わずツッコむ二海堂。

もっと分かりやすくイメージを掴みやすくしないと…ということで。
二海堂が絵本を使い、ひなとモモに説明を始めます。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

難しい将棋が急にメルヘンになった!
ニャーで説明する二海堂。
イメージがしやすくなって、ひなとモモは楽しそう。

 

「くそ…二海堂め。しかし、この本結構分かりやすいな…」と、零が絵本の表紙をよく見てみると。
『絵と文 にかいどうはるのぶ』と書かれていました。
ちょw自作かい!

 

二海堂の手作り絵本に、ひな達は「すごーい!」と尊敬の眼差し。
この絵本のおかげでいい感じに、ひなとモモは将棋のイメージを掴んでくれました。

実は良いとこのぼっちゃんで、しかも絵が上手い二海堂。
何でもありすぎw将棋のルールよく分からんので、その絵本見せてくれませんかね。

 

嵐のように激しく美しく

暑苦しいほどライバル(親友)想いな二海堂は、零の対局の負け続きを心配していました。
現在の零は三勝三敗。
ここで踏み止まらなければいけない。

 

相変わらず自問自答をして悩んでいた零の前に、思わぬ人物が訪ねてやって来ます。
それは、幸田家で暮らしていた零の義理の姉にあたる香子(きょうこ)でした。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

今晩泊めてほしいという香子に対して、最初は戸惑って拒否していた零も結局部屋に上げることに。
自由奔放で激しい性格の香子。
これがまた美人なんですよねぇ。

 

香子が零へ言う言葉は、憎しみと愛情が混ざったような複雑なものでした。
二人の関係は姉弟でありながら、どこか不思議な空気を漂わせています。

 

「まだあの男といるの?」と尋ねる零に、「よかった。傷、残らないですんで…」と零の顔をのぞき込んで言う香子。
零は以前、香子が付き合っている後藤という男と揉めたことがありました。
そのとき後藤に殴られた零の傷を、香子は心配していたよう。

 

未だに後藤と関係をもつ香子に、「あの男はダメだよ」と零は忠告するが、香子は「アンタには関係ないわ」と答えます。
そして、尚も後藤のことが好きだと言う香子。

 

 

翌日、零は将棋の対局の日でした。
相手は松永という将棋歴40年の65歳の男。
「そんなになっても辞められないなんて、きっとホントに将棋が大好きなのねぇ…あなたと違って」

 

松永は今回降級すれば引退を考えているらしい。
「気が重いでしょ?老いた犬の首をしめに行くようなものだものね」
帰り際に、香子は突き刺さるような言葉を零に残して去っていきます。

 

 

その後、対局が始まり松永と戦うことになった零。
しかし予想外のやりにくい展開になります。
松永のかき乱すような戦法?に、零も「こんなの初めて。わざと負けようにも、それすらも難しい」と困惑しっぱなし。

 

結局零の勝ちとなり、なぜかその後一緒にうなぎを食べることになります(零のおごりで)
食事をして話をして、酔った松永は胸の内を零に明かします。

 

勝てる気がしなかった。
至上たった五人目の中学生プロと言われた桐山零に。

対局室で正座する零の姿を見て、自分の将棋人生の幕を引く相手として、これ以上の者は無いと思った松永。
しかし、正々堂々と戦って散ろうとした松永の本心が暴れ出します。
負けたくないと。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

勝つことも負けることもあるが、それでも辞められない。
「松永さん、C2に降級したら引退ですって」と言っていた香子の言葉通りにはならず、最後に松永は将棋を続けると零に言います。

 

松永の「勝った時は叫び出す程嬉しくて、負ければ内蔵を泥靴で踏みにじられるように苦しくて」という台詞がいい。
戦う者の生の声だと思う。

 

生きるために戦う獣

12月のクリスマスが近くなった頃、零は再び香子と会うことになります。
前に零の部屋に泊まったときに、腕時計を忘れてしまったと言う香子。
それを渡すため、零は香子と顔を合わせます。

 

零の今年の最後の対局相手、安井のことを口に出す香子。
安井は離婚するらしく、彼には娘がいる。
彼の娘は、クリスマスまでは一緒にいたいと願っているらしい。

 

「子供ってかわいそうよね。だって、親を選ぶ事はできないもの…」
そう言う香子は、愛憎こもった言葉を零に掛けます。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

幸田家に引き取られてから、父の将棋への想いや期待をまっすぐ向けられた続けた零。
それによって、幸田家の本当の子どもだった香子と歩がどれだけ傷ついたか。
零は、その罪悪感とやり切れなさを感じていました。

 

そうして、安井との対局の日。
対局の行方は夕方前に呆気なく終わりを迎え、零の勝ちとなります。

終わったあとで、言い訳のように独り言を呟く安井。
「そりゃあ、君にはわかったのかも知れないけどさ。オレにはわかんなかったんだから、仕方ないだろう?」

 

対局の途中ミスが出て、安井は意識を集中して戦うことを放棄してしまいます。
その安井の戦う姿勢に失望する零。

安井が帰ったあと。
零は、彼が娘に買っていたクリスマスプレゼントの袋を置き忘れていることに気付きます。

 

 

安井を追いかけて袋を手渡そうとする零に、自分の物じゃないと答える安井。
それでも渡そうとする零に、安井は「あ~あ…最後のクリスマスだったのにな…」と呟いたあと、乱暴に零の手から袋を引ったくります。

 

しばらくその場から動けないでいた零。
しかし、いきなり走り出します。
そのまま全力疾走した先で、零は大声で叫び、堰を切ったように感情を爆発させます。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

普段、あまり感情を口に出さない零が怒りをブチまける。
弱いから負けんだよ!
勉強しろよ!
こっちは全部賭けてんだよ!

 

戦う理由が無いと言いながら、勝つ方へ生きる道へと進んでしまう。
闘争心がないように見えて、零は自分の中に獣が棲んでいることを知っている。
2巻最後で、零の将棋に対する本心が露わになります。

 

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まとめ

2巻はやはり零の義姉、香子の登場ですね。
キャラが立ってる。

悪女のように美しく性格も奔放、言葉も辛辣。
かつ、零との姉弟以上の何やら訳ありな関係を醸し出しているところも。
この二人の関係性についても、考察してみたい。
追記:3月のライオン零と香子の関係【姉弟にも他人にもなりきれないまま】

 

 

あとは、いつもの川本家のほのぼの話ですね。
ひなの乙女の一大イベント再び。

好きな高橋君が家にやって来るので、ご飯をどうしよう?となる。
今回も豪華なご飯にこだわるひなに、「あなた、まだ懲りてないようね」とツッコむあかりさん。
お弁当の件を忘れたのかー

 

それにしても、このカレーに唐揚げ+温泉卵のトッピングって美味しそう。
今度試してみようかな。
追記:3月のライオン2巻のカレーに唐揚げと温泉卵をトッピング【試してみた】

 

 

そして、最後の零が感情をむき出しに叫ぶ場面。
あまり感情を表に出さない零がブチキレます。

 

とにかく生きるために必死に将棋の勉強を続けてプロになって、ここまで進んで来た。
言い訳をする安井の姿と、香子に言われた言葉も思い出してか。

もう怒りをブチまけまくり。
こういう感情がむき出しの描写好きですね。

 

 

個人的に2巻で印象的だった感情描写。
零が、将棋を指している本当の父の面影を思い出しているところです。

「小さく前後に体を揺すりながら、左手を頬に当てて腕を組む」という、零の父が夢中になると自然に現れるクセ。
その父のクセが見たくて、必死に勉強をして頑張ったという零。

 

優しくて、周りに気ばかり遣っていつも笑っていた父親の何も取り繕っていない本当の顔。

細かいクセの描写もリアルで、何も取り繕っていない本当の顔と表現しているのがいいです。
人のクセって、些細なものでもその人の本当の気持ちや素の姿が表れているものだから。

 

 

細かい動きだったり直接的な言葉だったりと、『3月のライオン』の感情描写は独特です。
あと、戦う物語と言われているように、零や松永の台詞からは戦う者の心情が痛いほど伝わりますね。

続きはこちら。
3月のライオン3巻のネタバレ感想【レベル違いの強さ、獅子王戦を勝ち進むのは?】

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