3月のライオン零と香子の関係【姉弟にも他人にもなりきれないまま】

3月のライオン

(羽海野チカ『3月のライオン』3巻)

 

くろやんです。
次回のアニメは、零の過去話と香子が登場しますね。
毎週のアニメ感想はこちらです。
アニメ「3月のライオン」の感想まとめ

 

そういえば、零と香子の関係について考察しようと思っていたんですが、すっかり忘れていました。
せっかく思い出したんで、二人の関係について色々思ったことを書いておきます。

 

以下、原作のネタバレを含みます。

 

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棋士を目指す子ども達

『3月のライオン』の主人公・桐山零と幸田香子の関係は?
結論から書くと、二人の関係は義理の姉弟です。
血は繋がっていません。
名字も違いますしね。

 

香子の方が零より4つ年上です。
1巻の零が17歳の時点で、香子は21歳でしょうか。

 

 

両親と妹が事故で亡くなってしまい、小学生で孤独の身となってしまった零。
葬儀の席で、父の友人だった棋士・幸田柾近(まさちか)と再会した零は、彼の内弟子となって、将棋の道で生きていく決心をします。

 

幸田家で生活するようになった零を待っていたのは、同じくプロ棋士を目指す、柾近の本当の子ども達でした。
姉の香子と弟の歩(あゆむ)です。
ちなみに、歩は零と同い年です。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)

 

将棋を愛していた幸田柾近。
幸田家の生活は良くも悪くも『将棋中心』でした。
子ども達が父親に褒めて認めてもらうには、将棋で強くなるしかありません。

 

 

香子と歩と零と。
それぞれの最初の力量がどれくらいだったかは分かりませんが、徐々に力の差がハッキリと表れていくようになります。

 

始めにプロになる道から脱落してしまったのは、歩でした。
零に将棋で抜かれてしまい、落ち込んでふさぎ込むようになります。
そこで歩は、もう将棋を指すことを止めてしまいます。

 

次に脱落してしまったのは、香子でした。
これは本人の意志で脱落というよりも、父親の意志によってですね。
零に勝てなくなった香子は、ある日柾近に「これ以上は無理だ」と言われてしまいます。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)

 

香子としては、まだ将棋を続ける気持ちがあったかもしれません。
しかし、自分よりも年下だった零に負けてしまい、実の父親にこう言われてしまって、香子のプライドはズタズタに傷ついてしまったでしょう。
結局、香子も将棋を指すことを止めてしまい、街で遊びまわるようになります。

 

 

こうして、幸田家の本当の子どもだった二人は、棋士を目指すことを諦めてしまいます。
そして最後に残ったのは、血が繋がっていない内弟子として引き取られた零でした。

 

零が香子や歩を抜いてしまい、柾近が零に期待を向けるようになってから、子ども達と父親の家族関係も悪くなってしまいます。
幸田家の中で、ますます零は居心地が悪い思いをするように。
うーん…これは居たたまれなくなるなぁ。

 

 

やがてプロになった零は、幸田家を出て一人暮らしをするようになります。
そして、偶然あかりさんと出会った零は(1巻Chapter.3)その後、川本家でご飯を食べるようになっていくんですね。

 

激しさと寂しさを抱えて

子どもの頃の零と香子はこんな感じで、険悪な気まずい空気のまま過ごしていたようです。
主に、香子が一方的に零を敵視してですが。

 

もともと気性が激しい香子。
昔、幸田家で零と対局をして負けたときには、感情に任せて、零の頬を思いっきり平手打ちしたこともありました。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)

 

おぉ…何という瞬発力のある攻撃。
将棋漫画じゃなくてバトル漫画のよう。
前のコマが淡々とした描写だけに、この一コマのインパクトがすごい。

 

この平手打ちをしたことで、香子は父親に怒られてしまい、庭に出されてしまいます。
薄着で庭に立つ義姉を心配した零が、窓から香子の様子をうかがっていると…。
「何じろじろ見てんのよ、チビ」と、そのことにまた香子が腹を立てて、零に掴み掛かっていきます(そして、また怒られる)

 

 

おてんばというか、じゃじゃ馬というか、とにかく奔放で激しい性格です。
そんな感じで、子どもの頃から気性が荒かった香子。

 

成長してからも奔放な性格は変わらず。
さらに、もともと顔立ちが良かった香子は、大人になるにつれて美しくなっていきます。

 

現在の零と香子が再び顔を合わせるようになるのが、2巻からです。
子どもの頃のように、すぐに手を上げるようなことはなくなったものの、今度は零を精神的に追い詰めるような言葉を言うようになります。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』2巻)

 

零の対局相手の松永が、40年も将棋を辞められないでいることに対して、こんな台詞を言ったり。

さらに、もし降級すれば引退するらしい松永との対局のことを、「気が重いでしょ?長生きして老いた犬の首をしめに行くようなものだものね」と、辛辣に言ったりもします。

 

2巻の香子は『美人なのに毒をはらんだ言葉で零を惑わす』、まさに悪女のようなキャラとして登場します。
しかし、だんだん原作の話が進むごとに、香子が抱えている想いや彼女の内面が分かるようになっていきます。

 

 

家族もいて容姿にも恵まれ、周りの人間を支配する力も持っていた香子。
それでも、彼女の心の中は常に寂しさで溢れていた。
まるで、ひびの入ったグラスのように、いくら水を注いでも決して満たされない。

 

そのグラスにひびを入れたのは、他の誰でもなく父・柾近と零でした。
零に勝てなくなり、父親に「将棋以外の人生もあるさ」と言われたことが、香子の心を深く傷つけたらしい。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』3巻)

 

この時の香子の言葉は、本当は父親にも零にも認めてほしかったというように聞こえます。
彼女のプライドの高さもあったと思うんですけど、二人がいる『将棋』の世界に自分も一緒にいたかった、彼ら二人に自分のことをもっと見てもらいたかった、という風に感じられます。

 

気性が激しい性格でありながら、香子は常に寂しい、満たされない想いを抱えていたようです。
それは、子どもの頃からの零との関係にも表れています。

 

姉弟の関係

零と香子。
二人の関係は義理の姉弟です。
しかし、二人の関係はそれだけではない匂いを漂わせています。
姉と弟でありながら、男女の恋愛に近いような関係でしょうか。

 

 

4巻で、再び零の部屋に泊まることになった香子。
そこで彼女は、零に自分が抱えている悩みや弱さを見せます。

 

現在、香子が付き合っている後藤は、彼女よりも20歳も年上で妻帯者。
おまけに、父・幸田柾近のかつて弟弟子だった男。
そんな男を父親に会わせられるわけがない。

 

でも、後藤のことは本気で愛しているという香子。
自分がどうすればいいのか、これからどうなるのか、分からない。

 

不安を口にした香子は、後ろから零の首に腕を回して、すがるようにします。
いつもの気性が荒い姿からは想像できない、彼女の不安定な心を感じます。

 

 

実際に、これまでにも香子は零に弱さを見せたことがありました。
子どもの頃、こっそりと零の部屋に忍び込んだこともある香子。
恐らく不安や寂しさを抱えていた香子は、零の布団に潜り込むと、後ろから抱きつく形で一緒に眠ろうとします。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』3巻)

 

姉弟とはいえ、血が繋がっていない年頃の男女。
こんなに密着して、一緒の布団で寝てたってことは…つまり、その…体の関係もあったってことかな?
ど、どうなん?そこんとこ?

 

そのような野暮なことを考えてしまいます。
また、2巻で零の羽布団にくるまった香子が言った「アンタの匂いがまだしない」という台詞。
この台詞からは、過去に何度か近い距離で一緒に過ごしていたことがあったことを仄めかしています。

 

 

一緒の布団で眠っていたことが何度かあった。
さらに、それ以上の関係もあったのか。

 

この辺りは、原作で直接的にハッキリとは描かれていません。
ただ、断片的に出てくる二人の過去の中で、零が香子に襲われている積極的に迫られている描写があります。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)

 

こちらは、香子が寂しさや不安を抱えて布団に潜り込んだ描写と対照的に、荒々しく攻撃的なコマです。
しかも1巻から出てくるので、かなり衝撃的な一コマでもあります。

 

それにしても大胆な香子。
これは単純に、恋愛事情に疎そうな零をからかっての行為なのか。

 

それとも、自分よりも年下の零に将棋で抜かれてしまった屈辱や、父親の期待や歓心を奪ってしまったことに対する怒りをぶつけているのか。
どこまで行為が行われたのかは、何とも分かりませんね。

 

 

香子は零に対して、愛憎入り交じった想いを抱いています。
そして零も香子に対して、身近で初めて女性として意識した相手だったのではないかと思います。

 

それは1巻で『恋』というフレーズで、香子との過去を思い出したところや、2巻で「香子の毒をはらんだ言葉ですら聴いていたい」と思った気持ちに表れています。

 

本当は幸田家を出て、香子と離れたくなかった。
しかし、このまま幸田家に居続けると、自分のせいで家族関係が悪くなってしまう。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』3巻)

 

零は幸田家を出て自立しようとしたとき、「自分の足で立てるようにならなければ、大事な人たちを守れないと思った」と語っています。
大事な人の中には、もちろん香子も含まれています。

 

激しい性格を持ちながら、いつも寂しさを抱えていた香子のことが、零は好きだったんでしょう。

モモに「魔女なんかじゃない。彼女は、僕の義姉(ねえ)さんだよ」と言い、子どもの頃に姉としての一面を見せていた香子のことを思い出している場面からも、零の香子に対する気持ちが伝わってきます。

 

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まとめ

このような描写から、二人は姉弟でありながら血は繋がっていない、かつ恋愛関係にもあるような雰囲気を漂わせてもいるので、非常に気になる関係なんです。

 

序盤から登場する零の義理の姉である香子。
美人でありながら、心に刺さるような辛辣な台詞をチクチクと零に言う彼女は、なかなかインパクトがある人物です。

 

零の身近で、同じく年上女性のあかりさんの癒し具合とは正反対の性質を持っていますね。
おっとり癒しのあかりさんか、激しく奔放な香子か。

みなさん、どちらがお好きですか。
どちらも非常に良いですが、私は香子の二面性が好みです。

 

香子という人物は、気性が激しい面と、心が満たされない寂しい面と、正反対な面があるからこそ魅力的に映るんだと思います。
そういう極端な二面性がある人物が、個人的に気になるんですよ。

 

 

零と香子の関係は義理の姉弟ではあるんですが、香子は愛憎入り交じった想いを抱き、零も香子との曖昧な関係を断ち切りがたく思っているので、お互いが相手から離れられないという印象を受けます。

 

しかし原作が進むにつれて、香子は後藤という妻帯者が好きということが分かり、零も徐々にひなのことが気になっていきます。

 

しばらく香子も原作で登場することがなくなったので、もし再び二人が再会した時は、こういった曖昧な関係ではなく、もっとハッキリと姉弟らしい関係になっていくのではないかなと思いますね。

 

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