©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
やっぱりシャフトだった。
独特だなぁ。
第6話の感想です。
Chapter.11 神さまの子供(その①)
Chapter.12 神さまの子供(その②)
以下、アニメ第6話と原作2巻のネタバレを含みます。
泳いで泳いで泳いで
「どこかへ行きたい…」
自分の力で生活していくために必死に盤に食らいつき、中学生でプロ棋士となった零。
しかしプロ2年目となる今年、昇級する目を失ってしまう。
もがいてもがいてようやく辿り着いた今の場所から動き出す理由を見出せない零は、自らの中途半端さに思い悩む。
(アニメ公式サイトより)
今回の初めは、川本家での家族団らん場面からスタートします。
唐突に「どこかへ行きたい…」と零が言ったことで、みんながそれぞれ行きたいところを話し始めます。
前回のシリアスな零の過去回から一転して、第6話しょっぱなから明るい話題でキャッキャッと盛り上がるみなさん。
ひなが行きたいところを話すときに、ハートが飛び交う飛び交う!
川本家が登場すると明るいね。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
みんながそれぞれ行きたい場所を言った最後、おじいちゃんが「ボウズ、お前はどこ行きてえんだ?」と零に尋ねます。
そのときの視線の運びが、あの独特なシャフトの動きとカットです。
まさか、じいちゃんにもシャフト描写が出てくるとは!
この、誰かに言葉を投げ掛けたときの視線と振り向き具合がですね。
独特なんですね、ほんとシャフトらしいなぁ。
おじいちゃんに尋ねられて、零は気付きます。
「どうやら僕は『どこかに行きたかった』のではなく、『どこかへ行ってしまいたかった』という事らしいのだ」
あるある、そういう気持ちのとき。
落ち込んだときとかですけどね。
そして、学校で林田先生と零の会話になります。
このときに、『棋士は対局が無い日にはトレーニングをしている』という説明の描写が入ります。
ん?これ原作と見比べると、アニメ第4話で入るはずだった描写(原作の1巻Chapter.8)
アニメでカットしたと思ったら、ここに持ってきたんですね。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
香子が言った言葉を思い出す零。
家も無い、家族も無い、学校にも行って無い、友達も居無い。
あなたの居場所なんて、この世の何処にも無いじゃない?
うわぁ…グサッとくるなぁ…しかし、零はただただ「その通りだ」と思ってしまうんですね。
そして、始まる零の独白。
自身のこれまでを淡々と語っていきます。
シリアスだよ、重いよ。
なんか過去話のときと同じ展開にw
零が一人でいるときの独白は、シリアスになりがちなんですね。
孤独だった気持ちを表したもの、自分への自問自答や葛藤とか。
特に『3月のライオン』は心理描写が独特。
だからこそ、この物語は『居場所がなかった孤独な少年がどう成長していくか』が見どころでもあるんですよね。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
その後、突然始まったこのシーン。
赤い大海原。
ダイナミックに流れるピアノのBGM。
何だ何だ??
何が始まった!?
予想外のシャフトの独特な演出に、思わずポカーンとしてしまった。
やってくれたな、シャフト!
原作でも、ここは零の葛藤する心理描写を表した独特な場面だったんですけど、まさかこんな予想斜め上の描写でやってくれるなんて。
泳いで泳いで泳いで。
やっとたどり着いた島から、停滞して動けなくなってしまう零。
プロ棋士になって自分で生活をする、という目標を達成した後は、さらに上を目指して闘う意義を見出せなくなってしまうんですね。
前半最後は、悩める零の葛藤と回想で終わっちゃったよ!
やっぱり、零が一人でモヤモヤと悩むときはシリアスなんだな。
悩めるお年頃だから、しょうがないんだな。
ひなのドキドキMAX
後半初めは、零が子どもの頃に宗谷名人と出会う話。
ある雪の降る日に、初めて零は宗谷名人と会います。
来ました!宗谷冬司(そうやとうじ)
今回、アニメ初登場となります。
まだ台詞はないですね。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
林田先生曰く、宗谷名人は10代の頃から顔が変わっていないそうです。
そういう人いますねぇ…いくつになっても、昔のままな容姿の人って。
きっと、年を重ねても若々しい心を持ってるんだろう。
学校の屋上の階段で、ぼっち飯を食べる零。
そこへやって来た林田先生が、一緒に昼食を食べてくれます。
林田先生、何気にこうやって零のことを気にかけてくれるところが良いんだよなぁ。
あと、たまに名言を言ってくれるんだ。
「お前がもっかい学校に入って来たのって、勉強がしたかったからじゃないよな。多分」
林田先生、零のことをよく見て、零の気持ちを察した言葉を掛けてくれます。
対局で負けが続いて、モヤモヤと悩む零。
『勝つ理由が無い』と言いながら、負けると苦しい気持ちになる自分を中途半端だ、と零は感じます。
そんな風にモヤモヤと悩んでいた零は、街でバッタリひなと出会います。
ひなが登場すると、途端に画面も明るくなる。
メックのシェイクが飲みたくて、ぱあぁぁっとなるひな。素直だなぁ。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
零の「買ったげようか?」に対して、「はわわ」と慌てるひながね!かわいいね!
元気がない零を心配するひな。
今日はあかりお姉ちゃんが天ぷらを揚げてくれる、すっごく美味しいから。
落ち込んだときに元気になる方法は、美味しいものをみんなで一緒に食べること。
ひなは「家においでよ!一緒にご飯食べよ?」と零を誘います。
川本家の家族団らんパワーで、モヤモヤと悩む零に元気になってもらいたい。
ひなの優しい気持ちが伝わってくるね。
ここでChapter.12が終わり、エンディングが流れまして、今回はこれで終わりかと思ったら、なんと最後に続きのChapter.13がありました!
Chapter.13 神さまの子供(その③)
メックでお茶をしていた二人の前に、突然やって来た人物。
そう、ひなが好きな野球部の高橋くん!!
好きな人を前にしてドキドキするあまり、持っていたシェイクを「ぎゅうう」「ばくしゃっっ」してしまうひな。
擬音だらけ!パニックやな!
そして、高橋くんと二人っきりの気まずい空気になってしまった零。
え!?ここで終わり?
まとめ
不思議な終わり方でしたね。
高橋くんがやって来て、ひながトイレに行って、零と高橋くんが二人っきりで向かい合った場面で終わるとは!
第6話は零の停滞する気持ちを表した、海を泳ぐ独特な描写と、最後のひなと会って会話するところが見どころでした。
あの赤い大海原とピアノのBGMは、意外過ぎる独特な演出でした。
やはりシャフトだった!
そして、後半最後にひなと会ってから、また明るい雰囲気になりました。
よく表情がクルクルと変わって、笑顔になったり、赤くなって慌てたりするひながかわいい。
ひなが「家においでよ!一緒にご飯食べよ?」と、誘うところがほのぼのする。
シリアスな心理描写もいいけど、ほっこりと温かい気持ちになれるのも良いですね。
©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会
第6話のエンドカードは、柴田ヨクサル先生が描くあかりさん。
とても…ふくふくです。
胸が…ふくふくです。
柴田先生は『ハチワンダイバー』という将棋漫画を描いて、自身も子供の頃、将棋のプロを目指していたことがあったとか。
エンドカードは将棋繋がりの人や、羽海野先生と仲の良い人が描いたりするのかな。
次回の第7話は、カレー+唐揚げ+温泉卵。
これを観た人はきっと真似して、カレーにトッピングが食べたくなるに違いない。
第7話の感想はこちら。
アニメ3月のライオン第7話の感想【ニャーたちへの愛を感じた!】