(松浦だるま『累-かさね-』2巻49p)
『累-かさね-』の丹沢ニナの持病、眠り姫症候群。
どんなものなのか調べてみると、実際にある病気だそうです。
クライン・レビン症候群という睡眠障害のひとつで、『眠れる森の美女症候群』と呼ばれることもあるそう。
なんだかメルヘンな名前ですけど、実際には一般的な社会生活が送れなくなる大変な病気です。
普段は健常者と変わらない日常生活を送るが、ある日突然強い眠気に襲われる。
そして、数日から数週間に渡って睡眠状態が続く。
個人個人の症例によって、若干違いはあるようですが…。
寝ている間は24時間眠りっぱなしというわけではないようです。
18~19時間眠り、食事やトイレといった必要不可欠な行動は行っているという。
その行動中は夢遊病状態で、本人にまったく意識や記憶はないそう。
非常に稀な病気で、世界でも1000程度の報告例しかない。
10代~20代前半に発症する場合が多い。
『眠れる森の美女症候群』という名前なのに、女性よりも男性の方がかかりやすいそうです。
ネットで紹介されているイギリスの女の子の症例。
試験を受けられなくなり、学校に行けなくなり、人を避けるようになったとあります。
治療法もわかっていない珍しい病気のため、なかなか周囲に理解されないそうです。
眠っている間も時間は進み、世界はまわっていく。
ニナも友達をつくれなくなり、勉強も追いつけなくなり、学校に行くのをやめたとありました。
自分を置いて時が進んでいき、存在を忘れられてしまうって寂しいですね。
ニナの『私を忘れてしまわないで!』という言葉も、現実での症例を考えてみると、切実な想いを感じます。