アニメ3月のライオン第10話の感想【力の限り走って叫んで】

3月のライオン

©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

え、もう10話?
早くも10話まで来ました。
第10話の感想です。

 

Chapter.20 贈られたもの①
Chapter.21 贈られたもの②

以下、アニメ第10話と原作2巻のネタバレを含みます。

 

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苦リスマス

12月。忘れ物を取りにきた香子から、零が24日に対局する相手・安井学のことを聞かされる。
負けると酒を飲み暴れてしまうという安井は、このクリスマスが終わると離婚することが決まっているという。
家族で過ごす最後のクリスマスに、勝って帰るか、負けて帰るか…。
零は幼い日、幸田家で迎えた幼い日のクリスマスを思いながら、安井との対局へ向かう。

(アニメ公式サイトより)

 

今回は零と安井との対局。
原作でいうと、2巻最後の話になります。
早くもアニメが原作2巻終わりまで進みましたね。

 

零の部屋に泊まった際に腕時計を忘れたという香子。
腕時計を渡すため、零は再び香子と会うことになります。
会うのは零の部屋じゃなくて、外で待ち合わせ。

 

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©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

くしゃみをする香子、可愛いね。
「何でアンタんちじゃダメなのよ」と尋ねる香子に、「何でって…」と口ごもる零。
そこで零は昔、香子に押し倒された時のことを思い出します。

 

トラウマ☆フラッシュバーック!
零にとって、あの出来事はやっぱりトラウマになっているんでしょうか。

 

しかも、香子は零が考えていることを見透かして「今、何考えたか当ててあげようか?」と冗談を言って、零をからかいます。
お姉ちゃん、義弟をイジりまくり。

 

 

そして香子は、今度零が対局を行う安井のことを口にします。
離婚が決まっている安井は、零との対局がある24日が娘と迎える最後のクリスマス。

 

勝って娘が待つ家に帰るのか、それとも負けて帰るのか。
娘にとって、父親と過ごす最後のクリスマスが、どんな日となるのか。

 

「最後のクリスマスの思い出にピッタリなのは、どっちかしら?」
そう香子は零に語りかけます。
相変わらずチクチクと棘のある言葉で。

 

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©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

香子の話を聞いて、零は幼い日の出来事を思い出します。
引き取られた幸田家で、クリスマスにプレゼントを貰った零。
義理の父である幸田柾近は、零には将棋の駒を贈り、香子にはクマのぬいぐるみ、歩にはゲームを贈りました。

 

こ、これは…あからさまにプレゼントの差が目につくと言いますか…。
幸田さんよぅ…もっとオブラートに包めんかったのかな。

 

将棋を愛していた幸田柾近が零に贈った将棋の駒。
父の将棋に対する期待は、まっすぐ零だけに向けられている。
幸田家の子ども達は、柾近のプレゼントの意味を理解していました。

 

そりゃ、香子も歩も傷つくわ。
零は零で、幸田家でますます気まずい思いをする結果に。

 

 

家族から、友達から、どれだけ愛されたか。
どんな風に愛されていたのか。
クリスマスは、『この一年間の通知表みたいだ』と零は思います。
これまた暗めなクリスマスポエム。

 

そんなことがあって、零は「クリスマスを苦しい」と思うようになっていたそうです。
苦しいクリスマス。
苦リスマスですか。

 

前半は、やっぱり香子との不思議な空気が印象に残ります。
飛びそうになっていた零のマフラーを香子が巻くところ。
その後の香子の台詞。

 

毒をはらんだ香子の言葉ですら、聴いていたいと思う零。
互いに相手に対して複雑な感情を抱いているので、二人のやり取りは何とも不思議な空気になります。

 

身の内に棲む獣

後半は零と安井との対局です。
ここで、『Chapter21 贈られたもの②』との間に、原作には無いアニメオリジナルの描写がありました。
対局中の二人の描写を、細かく映像にしていたのです。

 

一手一手、互いに指していくところや対局室の様子。
淡々と落ち着いて指す零と、序盤は冷静な表情だったのが、段々と焦りが出てきて苦しい表情になっていく安井。

 

ピアノのBGMも相まって、シリアスな場面です。
最後、安井の「負けました」という言葉の後に無音で終わって、勝敗が決まります。

 

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©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

そこからは、原作と同じ流れで感想戦が始まります。
「要するに君は、俺が途中で投げたって言いたいんだろ?」
安井のネチネチとした言い訳オンパレード。

 

気が付いたら絶対指してた。
俺にはわからなかったんだから、しょうがないだろ。
ついリアルで口にしそうな言い訳の数々。

 

うわあ、完全に言い訳だなぁ。
ネチネチして陰気だな~と思いつつ、自分もつい口にしている気がする。
気を付けよう。

 

 

対局途中、ミスをしてしまった安井は、その後粘り続けて闘うことを放棄してしまいます。
「手離しちゃダメだ」と零が心の中で願ったものの、安井は娘のために最後まで闘うということをせず、結果零に敗れてしまいます。

 

ここの『安井さんの輪郭が、力を失って弛んで行くのが見えた』っていう零の表現が、原作でも思ったんですけど上手い。
集中することを諦めて、表情が弛んでいくところを上手く捉えています。

 

 

そして、感想戦を終えて帰る安井。
彼が娘のために買っていたクリスマスプレゼントを忘れていることに、零は気付きます。
アニメの描写では、安井は意図的に置いていった感じがしますね。

 

追いかけた零は、安井にプレゼントの袋を渡そうとします。
しかし、「俺んじゃない。知らん」と拒否する安井。

 

尚も手渡そうとする零にイラだった安井は、「あ~あ…最後のクリスマスだったのにな…」と呟いた後に、乱暴に零から袋を引ったくります。

 

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©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

安井の表情と動きが、原作以上にすごい。
憎々しげに零を睨みつけ、乱暴にプレゼントを扱うところが…何だか悲しくなってくる。
それから、しばらく呆然と動けないでいる零も。

 

やるせなくなる場面だなぁ。
原作でも、ここは読んでて悲しくなってくる。
それから歩き出す零、徐々にスピードを上げて走っていきます。

 

最後に公園にたどり着いた零は、力の限り叫んで、感情を露わにさせます。
「みんな俺のせいかよ!?じゃあ、どうすりゃ良かったんだよ!」

 

怒りをブチまけて叫ぶ零。
珍しく大声を出して、感情むき出しで怒る場面です。

 

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©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

やり切れない、どうしようもないぐらいモヤモヤが溜まった時は、「ふざけんな」って怒りをストレートに表現するのが一番。

 

そして、アニメでは零が地面へとぶっ倒れた!
ぶっ倒れるぐらい体力消耗して叫んでたのか。
原作では、地面に倒れるまではいってなかったけど。

 

 

生きていくために、将棋を指し続けるしか道がなかった。
将棋以外、何も持てないぐらい将棋漬けの生活だった。
そんな零からすると、酒を呑んで言い訳をする安井の言動は、『マジふざけんな』という感じだったんでしょう。

 

戦う理由が無いと言いながら、本当は自分の中に獣が棲んでいる。
生きるために、戦っていくしか道がない。

 

『周りのモノを食いちぎってでも、生きていくためだけに走り出す獣』
荒々しいけど、零の隠れた闘争心を表したこの表現はカッコいいと思う。

 

まとめ

順調に原作2巻の終わりまで来ました。
次回の放送からは、3巻の内容になります。
ちょうど大晦日の内容と時期的にリンクしますね。

 

今回の見どころは、前半の零&香子の不思議な関係再び。
そして、後半の言い訳キング安井との対局、零の怒りの叫びでしょうか。

 

アニメで動きが付くとなぁ。
安井の零を睨みつける顔とか、乱暴に袋を引ったくる様子が、余計やるせなくなる。

 

その後の零が走って行って、怒りをブチまけるところ。
曲と声が加わって、零の感情がダイレクトに伝わってくる。

まさか地面に倒れ込むとは思わなかった。
それだけ、零が心の底から怒りを爆発させてたんでしょう。

 

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©羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

 

第10話のエンドカードは、克・亜樹さんが描く川本三姉妹&香子。
克・亜樹さんといえば『ふたりエッチ』で有名な漫画家さん。
『ふたりエッチ』読んだことないけど、名前は常々…。
そうか、同じヤングアニマルだから、それ繋がりでエンドカードを描いたのかな。

 

川本三姉妹と香子の夢のコラボ!
香子の表情が…ノリノリのモモとの温度差が!
こういうコラボ良いな。
原作でも、もっと三姉妹と香子の絡みが見てみたい。

 

第11話の感想はこちら。
アニメ3月のライオン第11話の感想【久しぶりの癒し!川本家団らんと猫とこたつ】

アニメ「3月のライオン」の感想まとめ

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あの漫画のここが気になる!!!
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