(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
どうも、くろやんです。
今年の10月から秋アニメとして放送される『3月のライオン』、前から名前は知っていたけど、漫画を読んだことはありませんでした。
せっかくなのでこの機会に読んでみるかーと思い、この前11巻まで一気に読んでみました。
こんな漫画だったんだ!
ちなみに作者は「ハチミツとクローバー」で有名な羽海野チカ先生。
掲載されている雑誌はヤングアニマル。
ヤングアニマルって「ベルセルク」とかと一緒だそうですね。なんか意外だ。
1巻から順番にあらすじと感想、面白かった場面などを書いていこうと思います。
以下、1巻のネタバレを含みます。
1巻の主な登場人物
主人公は桐山零(きりやまれい)
彼は現在17歳の高校生でプロ棋士。
(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
このプロ棋士の零が主人公ということで、この漫画は『将棋』がテーマというわけです。
将棋?やったことないしルールがよく分からん…と思いつつ読んでみましたが、大丈夫。
将棋漫画ではありますが、将棋のことだけじゃなく、主人公の周辺人物達との関わりも主なテーマとなっています。
なので、将棋のルールが分からなくても読み進めていけますし、ストーリーも面白くキャラも個性的。
心理描写が独特なのもいいです。
あと、出てくる料理がやたら美味しそう。
夜中に読むと危険w
主人公の零と深く関わってくるのが川本家の三姉妹。
長女あかりと次女ひなた、末っ子モモの三人です。
三人とも美人&かわいい。
(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
ある日、先輩棋士に無理矢理飲まされて置き去りにされていた零を、長女あかりが家に連れて帰り介抱してくれます。
その出来事がきっかけで、零と川本家との交流が始まります。
零はこの川本家でよくご飯をご馳走になっています。
しかも、家庭的で美味しそうなご飯。
ご飯を食べる場面は、ほのぼのまったりした家族団らんといった感じ。
この川本家三姉妹との交流も、この漫画の見どころです。
ほかに、零と将棋のライバルとして登場する二海堂晴信(にかいどうはるのぶ)
子どもの頃から将棋大会で顔を合わせ、互いに何度も対局をしてきたライバルです。
この二海堂のキャラもかなり濃くて面白い。
本人曰く、二人はライバルかつ親友でもあるらしい。
そのことを暑苦しいぐらい、アツく語ってくれます。
1巻では、零が将棋をやることになった経緯や家族について。
川本家との日々の交流、ライバル二海堂との話が出てきます。
乙女の一大イベント
1巻の零と川本家との交流のなかで面白かったのが、次女ひなのお弁当の話。
日曜にひなの中学の野球部の試合があり、その試合にひなの好きな人が出るそう。
その好きな人(高橋君)のために、張り切ってお弁当を作る計画を練るひなちゃん。
甘酸っぱい青春!
いいですねぇ、乙女の一大イベント。
お弁当の中身をどんな風にしようか、ひなは長女あかりさんに相談します。
ひなの希望的には「わー可愛い!ってなるようなお弁当」がいいそうで…。
(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
リンゴ型のカボチャのコロッケ。
おにぎりで作ったお花畑などなど。
可愛いお弁当の中身を考えていたようです。
こ…これは…どんだけキラキラな女子弁だろう。
普段、家族のご飯を作って料理が上手なあかりお姉ちゃん。
ひなの考えていたおかずに対して「初めて作るモノは時間が読めないし、焦って失敗もしやすくなる」と、現実的にアドバイスをしてくれます。
「唐揚げと玉子焼きとプチトマトとか…」と提案するあかりに、ひなは「そんなのヤダ、ありきたり!おばさんっぽい」と反対。
お、おばさんっぽいかな?
唐揚げと玉子焼き美味しいけどなぁ。
「これに決めるもん!」「はいはい、勝手になさい!」と、言い合いになる二人。
それを見て、一人ハラハラする零。
結局、ひなの考えたお弁当のおかずで作ることにしたようです。
しかし、このおかずの材料が多すぎてお金がかかる!
ざっとみて三千円超える弁当って豪華すぎ!
(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
ここでもまた揉める、あかりとひな。
「何で、よそんちの子のお弁当でうちの食費から三千円も!?」
あかりさんの言葉はごもっとも。
その後、何とか零に食材の材料費を出してもらって、ひなは日曜日本番を迎えます。
が、やっぱりあかりさんの言っていた通りの結果に!
ひなは初めて作る料理に悪戦苦闘。
もうパニックになって、しっちゃかめっちゃかな有り様。
一緒に行く友達との約束の時間も過ぎてしまい…着ていく服もどうしようとなって…あわわ…
ひながどうにかお弁当を作って出掛けたあと。
外出していた零は偶然、ひなの中学校の前を通りかかります。
そこで、野球部の試合を応援するひなの姿を見かけた零。
試合の行方は、ひなの好きな高橋君が見事に逆転ホームランを打つ展開になります。
友達と一緒に高橋君の活躍を喜ぶひな。
試合が終わり零が遠くから見守るなか、ひなは高橋君に念願のお弁当を渡そうとしますが…。
高橋君を応援していた他の女子達の勢いに負けて、結局ひなは渡せませんでした。
渡せなかったお弁当を、公園のゴミ箱にそっと捨てようとしていたひな。
(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
零がそれを止めて、「帰ってみんなで食べよう」と言います。
家に帰った二人。
そこで、あかりお姉ちゃんが「そっか…渡せなかったのか。残念だったわね。がんばったのにね」と言葉をかけてくれます。
その言葉に涙が溢れてくるひな。
じんとくるなぁ。
家族の温かさっていいな。
ほっこりと温まった最後。
みんなで食べよっかとなったところで。
一口食べたあかりと零が「うっ」という顔になる。
「味見した?」と聞くあかりに「え?ううん」とひな。
ちょwええぇぇー( ゚Д゚)!?
初めてのお弁当は、渡せなくて正解だったのかも。
そんなオチがちゃんと付いていました。
いや~面白かったり感動したり、この1話好きだなぁ。
生きるための嘘と契約
ほのぼのする川本家との話と対照的に、零のシリアスな過去の話が1巻終わりで出てきます。
零の家族についてと、どうしてプロ棋士になることになったのかという経緯です。
零は幼い頃、交通事故で家族を亡くします。
父と母と妹と。
ある日、突然零の前から家族がいなくなってしまいます。
その葬儀で零は、父の友人だった幸田という人物と再会します。
この幸田という人物は何度か零の家に来たことがあり、零は彼と何度か将棋を指したことがありました。
将棋は苦手だったけど、忙しい父と一緒に過ごしたくて将棋を覚えたという零。
内気な性格のため、学校で友達も作れず、家で過ごすことが多かったよう。
家族が亡くなり、葬儀の席で親戚達によって零は施設に入れられそうになっていました。
施設には入りたくないと強く思った零。
葬儀に来た幸田は、以前から零の将棋の才能に気付いていました。
「将棋は好きか?」
そう尋ねる幸田に、とっさに「はい」と嘘をつく零。
(羽海野チカ『3月のライオン』1巻)
こうして零はプロ棋士幸田の家に引き取られ、内弟子として将棋を学んで、棋士を目指すことになります。
しかし、そこでの生活は「将棋中心」となり、零と同じく棋士を目指す本当の幸田家の子ども達との衝突が起こってしまいます。
姉の香子(きょうこ)と弟の歩(あゆむ)
二人を追い抜いて棋士としての実力をつけていく零と、反対に父に認めてもらえず、棋士となることを諦めていく香子と歩。
香子は街で遊ぶようになり、歩は部屋にこもってゲームばかりするように。
ますます零は幸田家のなかで、居心地の悪い思いをするようになります。
そうして中学の頃にプロ棋士となった零は、幸田家を出る決心をします。
自分のせいで、これ以上幸田家の人間関係を壊してはいけないという罪悪感から一人暮らしを始める零。
プロ棋士となり一人暮らしをして、たまに川本家でまったりご飯を食べて過ごすようになるまで、零にはシリアスで苦しい過去があったようですね。
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まとめ
この『3月のライオン』は将棋がテーマの漫画です。
でも、将棋のルールが分からない&やったことがない…という人でも楽しめます。
主人公の零と周りの人達との関わりや交流がテーマでもあるので、将棋に詳しくなくても十分面白いです。
もちろん、将棋の話では「居飛車」「振飛車」「中飛車」など専門用語が出てくるので、ある程度ルールや基本的なことを知っていたら、更に内容が楽しめると思います。
私はまだ詳しく知らないので。
時間があったら、将棋のルールや基本的なことを知りたいですね。
作中では主人公の零のモノローグがよく出てきます。
あまり口数が多くないキャラなので、周りのキャラがよく喋っていますね。
読み進めると『孤独で内向的だった零が周りの人達とどう関わっていけるようになるのか』という成長が見られます。
将棋の対局は派手な闘いというわけじゃなく静かですが、時々胸が熱くなる闘いを見せることがあります。
あと、川本家のご飯とほのぼのとしたやり取りに和む!
続きはこちら。
3月のライオン2巻のネタバレ感想【惑わせ毒をはらむ香子の言葉と獣の咆哮】