3月のライオン4巻のネタバレ感想【故郷への想いを胸に獅子王へ挑む】

3月のライオン

(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

どうも、くろやんです。
『3月のライオン』4巻のあらすじや感想を紹介していきます。

前回3巻のネタバレ感想はこちら。
3月のライオン3巻のネタバレ感想【レベル違いの強さ、獅子王戦を勝ち進むのは?】

 

今回は3巻からの続きとなる獅子王戦、宗谷名人VS島田八段の対局が始まります。

 

 

以下、4巻のネタバレを含みます。

 

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研究会のはずが…?

3巻終わりで島田八段の研究会に入った零。
そもそも研究会とは、何をするところでしょう?

 

研究会はプロ棋士が研究と実戦練習のために、月に一回ほど4~6人で集まり対局をします。
その後、対局が終わったら参加メンバーで検討や反省を行うものだそうです。
名前の通り、まさに研究会。

 

島田の自宅で行われた研究会に初参加した零ですが。
研究会には零の親友(ライバル)であり、島田の弟弟子にあたる二海堂ともう一人、重田という棋士がいました。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

島田とは同期で、奨励会からずっと一緒なんだそうです。
目つきは悪いけど、別に怒ってる訳じゃないらしい。

 

さて、二組に分かれて対局を行った後、二海堂と重田が検討を始めます。
お互い自分の意見を曲げない二人。

 

「なんていうかぁ…『振飛車』っていうものが消極的なカウンター狙いで持久戦…っていうのがぁ、そもそも男らしくないないような気がするんですよぉ」と、二海堂。

「なら、言わせてもらうが『居飛車穴熊』はどうなんだ?あれこそ持久戦狙いの最たるものじゃないか」と、重田。

 

相手の戦法について、チクチクと難癖を付けます。
将棋の専門用語ばかり出てきて詳しくは分からないけど、この場が険悪な雰囲気だということはよく分かった!

 

議論を繰り広げる二海堂と重田に、研究会の主である島田が「まぁまぁ。その話は決着が付かないから止めよう」と、二人をなだめます。
そこに零も加わって、アツく論じ合う二人を止めるかと思いきや…。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

なに火に油注いじゃってるの!?
議論が余計に燃え上がっちゃったよ!
島田八段の胃が痛み出しちゃったよ!

 

その後、零もプラスされて三人のアツい検討が続いていったらしい。
もう止めたげて…島田八段の胃と髪の毛がw

 

研究会が終わって帰り道の零と二海堂。
「大丈夫かな、兄者…」「どうしたんだろ?急にお腹が痛いなんて…」と、島田のことを心配しながら歩く二人。

いや君らが原因だ…。

 

魔女ならこんな苦労しない

今回4巻でも香子が登場します。
零と香子の関係について、そして彼女の後藤への想いや心の内が一部明らかになります。
ちょっと香子への印象が変わる巻ですね。

 

ある日、再び香子に呼び出された零。
「父さんに余計な事言ったでしょ」と、香子は零に突っかかります。
カードを止められて、色々質問責めにされたらしい。
それに「何も言ってないって。っていうか、ソレ姉さんの自業自得ってヤツだろ!?」と返す零。

 

零は義理の父と姉の親子関係が壊れ、溝ができたままでいることに心を痛めていたようです。

 

言い合いになる姉弟の前に、ちょうどバッタリ川本三姉妹がやって来ます。
まるで修羅場を目撃した(された)ような気まずい空気に。
お互い『相手は誰?』となる川本三姉妹と香子。

 

三姉妹は、ひな祭りで作ったおいなりさんを零に渡そうとしていたよう。
あかりさんが空気を読んで「失礼しました。どうぞ、ごゆっくり~」と、ひなとモモを連れて帰ろうとします。

 

悪女オーラ出まくりの香子。
「今度はあの家なんだ?また可哀想ぶってとり込んだんでしょ」と、意地悪く零に言います。
義弟を攻撃してイジメる義姉。
零に対しては、何かと香子は辛辣ですね。

 

すると、言われっぱなしで黙っている零を見兼ねたひなが、ここで二人の間に割って入ります。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

中学生のひなが頑張る!
香子へのささやかな対抗心とも言える行動。
ひなは、あかりお姉ちゃんと作ったおいなりさんお重を、零に渡すことができました。

 

さて、その後また香子は零の家に上がり込みます。
しかも、ひな達が作ったおいなりさんを勝手に食べ始める香子。

 

「何コレ、あっまぁ」と文句を言いながら、他のおかずも勝手に食べていき…最終的に香子一人でほとんどお重の中身を食べてしまいました。
この辺の文句言いながらも、バクバク食べていく香子がかわいい。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

結局、この日も香子は零の部屋に泊まることになります。
「ねえさん。どうするのさ、これから」
父も香子のことを心配していると零は言います。
香子が男と付き合っているらしいと知った父は、「お世話になってるなら挨拶するから。連れて来なさい、彼氏を」と、香子に言ったようで…。

 

香子が好きと言っている相手の後藤は、香子より20も年上で妻帯者。
おまけに、父である幸田のかつての弟弟子だったそう。
父に会わせられるわけがない。

 

「何でそんなヤツ選んだんだよ」と訊く零に、「知らないわよ。私がききたいくらいよ」と答える香子。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

自分が本当に魔女なら、こんな情けない苦労はしてない。
「ねえ、零…どうしよう。わたし、こわい」
そう呟いた香子は、縋るように零の首へと腕を回します。

 

香子が弱さと本音を見せる場面。
後藤のことは好きだが、これからどうなるか分からない。
自分自身の歩いていく先が見えず、不安でこわいと感じている香子。

これまでの強気で荒々しく激しい姿から一転して、頼りなげな素顔を見せるこの場面がイイです。

 

 

翌日、何事もなかったかのように別れ際に「じゃあ、またね」と、告げて去って行く香子。
零も香子に対して、姉弟という感情と別の気持ちを抱いているよう。
二人の関係は義理の姉弟でありながら、また複雑な関係でもありますね。

 

痛みも期待も恩も抱えて

今回4巻の中心となる獅子王戦。
宗谷冬司獅子王VS島田開八段

 

この二人、実は同い年で同期なんですね。
島田の相手となる宗谷名人。
彼は15歳の中学生でプロになり、21歳の最年少で名人に就位。
その後、史上初七大タイトルすべてを制覇したという輝かしい経歴の持ち主。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

おまけに、見た目も同い年の島田より若く見え「時間が止まっている」ように感じる人物です。
どこか人間離れして表情もあまり変わることがなく、不思議な雰囲気を纏いながら淡々と静か。
しかし、圧倒的な強さと存在感を持っています。

 

この宗谷と島田の対局が始まります。
獅子王戦は七局まで対局がありますが、4回連敗してしまうと、そこで勝負は決してしまう。

 

島田には、何としてもこの獅子王戦を勝ち進めたい理由がありました。
対局ごとに場所が変わっていくなか、六局目の対局場所となるのは山形県。
それは、島田の生まれ故郷でした。

 

 

雪ばかりの村には、同い年の子どもはいない。
幼い頃の島田は、ある日近所の老人たちから将棋を教えてもらいました。
そこで、将棋の面白さに目覚めた島田。
次第に村の大人たちに勝つようになり、将棋道場に通うようになります。

 

中学の頃には、東京の奨励会に通うようになった島田。
東京までの交通費のために農業を手伝い、牛の世話をしてバイト代を貯めます。
村中の老人たちは島田を心から応援してくれる。

 

その頃から、島田の胃は痛むようになっていったそう。
田舎では「天才」と言われていたが、三段リーグでは実力者揃いで、島田は何年もそこで動けなくなってしまいます。
それでも、故郷の老人たちはずっと応援をし続けてくれている。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

そんな期待や恩や痛みを抱えながら、島田はここまで来ました。
自分以外、山形出身でB級以上の棋士はいない。
「オレがやるしかないんだ」
故郷への想いに応えるため、島田は獅子王戦に挑みます。

 

しかし、始まった宗谷VS島田の獅子王戦の戦い。
第一局から第三局まで宗谷の白星が上がり続け、島田はもう負けられない状況に追い込まれてしまいます。

 

 

第四局目となる京都に向かう島田。
胃痛で体調が優れない島田に付き添い、零も一緒に京都に向かいます。

 

夢の中で、プロ棋士になれなくて故郷に帰った自分。
すべてを賭けてここまで来ても、連敗で敗れ去ってしまう現実の自分。
「どっちが悪夢か、とことん味わってやろうじゃないか」と対局当日の朝、島田は不敵に笑う。

 

そして零が島田の体調を気にかけながら、とうとう獅子王戦第四局が幕を上げます。
島田八段の攻めと宗谷の反撃と。
やはり宗谷の圧倒的な強さに、会場では「相手が悪いよ」「宗谷だもの」「一勝くらいなあ…」と、島田の負けを認める声が聞こえてくる。

 

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(羽海野チカ『3月のライオン』4巻)

 

もう打つ手はない。
そう悟った島田は投了します。
しかし、零と宗谷は島田の活路を見出していました。

 

島田が気付かなかった一手。
それを指せば、宗谷名人の王は詰んでいました。
「君は僕を信用し過ぎだ」

名人と言われ、天才的な強さを持つ宗谷にも負けは訪れそうになっていた。
宗谷名人だからミスは無い、ということは決してない。

 

すべを賭けて宗谷名人に挑んだ島田。
獅子王戦の結末は、島田の4連敗で幕を閉じることになります。

 

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まとめ

4巻は島田のことが深く知れる巻ですね。
彼の生い立ちやこれまでの歩みがわかります。

 

故郷への想いを抱えながら、胃の痛みを抱えながらここまで進んできた島田。
すべてを賭けて名人に挑むが、獅子王戦は連敗で終わってしまう。
シビアだなぁ…。
現実は厳しく容赦ない。
倒れても、何度も何度も立ち上がって進んでいくしかない。

 

戦う者の苦悩や痛みがリアルに描かれていますね。
島田の苦労や努力、故郷への想いがいつか叶ってほしいなぁ。
髪と胃のことをイジられがちですけど、島田の地道に努力を重ねて諦めない姿は応援したくなる。

 

 

そして、4巻でも再び登場する香子。
彼女の内面も徐々に明らかになっていきます。
強気で激しい気性を持ちながら、彼女も孤独と寂しさと不安を抱えているようです。

 

零との関係は姉弟であり家族であり、お互い寂しさを抱えながら離れられない存在のように感じます。
血が繋がっていないので、義理の姉弟とは言え異性同士ですし…。
恋愛感情も多少は含まれているように感じますね。

 

この巻で零も18歳になり、高校2年になります。
何も変えられなかったと思う零ですが、確かに一年間の歩みと経験があったはず。
将棋のことも、周りの人物との関係についても。

この漫画は零を中心に進みますが、その周りの人物の話も面白いので、色々な人物の戦いと成長の話でもありますね。

続きはこちら。
3月のライオン5巻のネタバレ感想【徐々に変わっていく零、ひなの笑顔を取り戻せるのか】

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