(桜井画門『亜人』2巻186p)
くろやんです。
今回は中村慎也事件について。
この話はタイトルの数字が『FILE:0』となって、1巻が始まる前の過去の話となります。
亜人管理委員会が恐れる“フラッド現象”が確認された中村慎也事件。
あらすじを紹介します。
以下、2巻の内容ネタバレあるので注意してください。
中村慎也
雨の降る夜、大学生の中村慎也はバイク事故を起こしてしまう。
意識を取り戻した慎也の目の前には、倒れたバイクとヘルメット、切断された自分の右腕があった。
そして、慎也の身体には新しい右腕が再生されていく。
中村慎也はこの時、自分が亜人だと気付いた。
「いや待て…落ち着け…」と、自分に言い聞かせる慎也。
この事故は幸いにも誰も目撃者がいなかった。
そこで慎也は、バイクを不法投棄に見えるように捨て、切断されて残った自分の右腕は持ち帰ることにした。
すれ違う人間に多少不審がられはしたが、慎也は何とか自宅に帰って来た。
ネットで亜人についての情報を調べ、捕まったらどうなってしまうか、人体実験を受ける自分の姿を想像して動揺する。
その時、友達の裕介がやって来た。
普段通りに会話していたはずが、突然涙を流してしまう慎也。
心配した裕介はポケットティッシュを渡し、何かあったのかと尋ねる。
慎也は、自分が亜人だったことを裕介に言うべきか迷うが、結局言えずにこの日は裕介を帰すことに。
夜、一人思い悩む慎也。
自分がこれまで通りの生活をして生きていくには、どうしたらいいか。
慎也は、持ち帰った決定的証拠の右腕を明日処分することにした。
これさえ見つからなければ、自分は人間のままだと慎也は考える。
翌日、慎也は自分の右腕を処分するため外出。
右腕を鞄に隠し、横断歩道で信号を待つ慎也。
横断歩道の向こう側、同じように信号を待つ人々のなか、突然黒い幽霊がこちらに向かって歩いてくる。
幻覚かと思ったが、目の前で止まった黒い幽霊の姿に、慎也は取り乱してその場から走り出してしまう。
その時、横から来た車に慎也は轢かれそうになる。
もし、この場で死んで生き返ったら、大勢の目の前で亜人だとバレてしまう。
だが、誰かが腕を引っ張り助けてくれる。
助けてくれたのは、裕介だった。
「慎也、逃げろ」
人込みから離れて高架下に来た、慎也と裕介。
いつもと違う慎也の様子に、「病院…いや。その前に、おじさんおばさんに…」と裕介は心配する。
このままでは自分の心がもたないと思う慎也。
裕介なら味方になってくれるかもしれない。
もし、味方になってくれなくても「コイツになら…売られてもいいかな…」と思った慎也は、自分が亜人だと話す決心をする。
そこにスーツを来た男達がやって来る。
亜人管理委員会・木戸という男は慎也を見て、「その顔まちがいねぇ。お前だな?」と言う。
証拠の右腕は自分が持っているのに、なぜ亜人だとバレたのか。
木戸は部下にある物を持って来るよう命じる。
それは、事故現場に転がっていた慎也のバイクのヘルメットだった。
慎也はようやく気付く、あの激しい事故で顔が無傷なはずがないと。
フルフェイスのヘルメットのシールド部分を上げると…。
中には慎也の頭部が入っていた。
自分の頭部を見て、叫び声を上げる慎也。
あの事故で慎也の頭は生え変わっていたのだった。
「俺はとっくに、俺ですらなかったんだ…」と慎也は涙を流して自嘲する。
木戸が慎也へと銃を構え、発砲する。
だが、裕介が慎也をかばい、代わりに撃たれてしまう。
倒れる裕介の身体を支える慎也。
息を引き取る前に裕介は「に……ろ…」と、何か言葉を言い残す。
裕介の足から黒い物質が立ち上り、人型の幽霊のような形になる。
そして黒い幽霊は、「しん…や……にげろ」と、言葉を残して消えていく。
木戸が再び発砲し、慎也も撃たれてしまう。
慎也を殺害した木戸は、「再生が始まるまでに拘束しろ」と部下に命じるが…。
その時、突然黒い幽霊が現れ、木戸の部下を攻撃。
「中村慎也は特別な亜人なのか!?この発見は大きな功績」と、恐怖しながらも喜ぶ木戸。
さらに何体もの幽霊が出現し、木戸と部下達を一人残らず殺害していく。
再生し、生き返った慎也。
動かなくなった裕介を見て、「すまない…でも…お前のおかげで…」と心の中で呟く。
裕介の身体の近くで、黒い幽霊の欠片が残っていた。
それは「にげ…ろ……しんや…」と、言葉を残して消えていった。
慎也は「ああ、わかった」と答え、その場から去ることに。
その後、顔を隠すためフードを被り、街を歩く慎也の姿があった。
手元にある新聞には、高架下での殺人の記事があるが、そこに慎也の顔も名前も出ていない。
結局、亜人とは何なのか。
他の亜人は、自分とは違うのだろうか。
そう思っていた慎也だったが、「まあ、どうでもいいか…」と思い直す。
タクシーに乗った慎也は、行き先を運転手に告げる。
何かをポケットから取り出す慎也。
慎也の手には、以前裕介から貰ったポケットティッシュがあった。
「安全運転でお願いします」と、慎也は運転手に言う。
命はひとつしかありませんから。
(基本的には……)
タクシーに乗った中村慎也は、そのまま姿を消した。
慎也は慎也じゃなくなったのか?
ヘルメットに残った慎也の生首は、若干ホラーでシュールですね。
ショッキングな描写が色々出てくる亜人を読んでいくと、どんどんグロ耐性がついていくと思われます。
冒頭のバイク事故で、慎也の頭が生え変わったわけですが。
その後の慎也の台詞でも、「俺はとっくに、俺ですらなかったんだ…」と言います。
自分が自分じゃなかったという。
3巻研究所で、佐藤が圭に断頭する話をしますね。
「新しくできた頭は、脳は、心は。今の君なのか?」
「否だ。君はこっち、ココでおしまい」と、佐藤は言います。
佐藤はこの断頭によって新しく頭が生え変わること=死と定義しています。
前の断頭された頭が本当の君だから、新しく生えた頭は君じゃないよってことだそう。
ややこしいな(;´∀`)
となると、バイク事故で頭が生え変わった慎也も、この死の定義に当てはまる。
前の慎也は死んで、『中村慎也事件』冒頭の亜人だと分かってパニックになってる慎也は、本当の慎也じゃないってことか?
ややこしいな(;´∀`)
でも事故の後、慎也は前の記憶のまま行動して、裕介とも会話して何ら違和感はないように見える。
昔の裕介との記憶も、ちゃんと覚えている。
あ、こういうことか?
記憶が前の頭からデータ移行された的な?
毎回新しい顔を変えても、記憶が変わらないアンパンマンみたいな?
そういうことですかね。
よくわからない、ややこしいなぁ。
追記:断頭について詳しい情報がわかったのでまとめました。
亜人は死ぬのか?【断頭で頭が新しく作られること=死とは】
まとめ
最新刊の亜人8巻限定版は、この中村慎也事件をアニメ化したDVDがついてくるそうです。
中村慎也の声を担当するのは、進撃の巨人エレン役で有名な梶裕貴さんです。
限定版欲しいな。
あんまり普段限定版とか買わない人間ですけど、亜人の映画やアニメが迫力ある感じに仕上がっているから、期待してしまう。
同じように事故で亜人だとわかったのに、圭と慎也で随分違いますね。
大勢の目の前で生き返った圭は、まぁ運が悪かったとしか…。
あ、でも慎也も生え変わってるから良くもないか。
追記:こちらに8巻限定版DVDについて、あらすじと感想を載せています。
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