(桜井画門『亜人』10巻)
永井圭の母である永井律。
めっちゃクールで圭以上の合理主義者。
彼女は1巻で登場しますが、その時は顔が詳しく描写されていません。
さらに物語が進んで10巻で再び彼女は登場します。
その時は顔はもちろん、性格や人物設定もしっかりと描かれています。
再登場した時の彼女の言葉で、印象的だったものを紹介したいと思います。
病院で娘の慧理子(圭の妹)と会話している場面です。
慧理子は兄のことを『冷たい人間』だと思っています。
(子どもの頃、圭は仲の良かった海斗との関係をあっさり切ったことがあったから)
この圭の性格について、律は「圭は合理的なだけで、冷たいという訳じゃないわ」と言います。
さらに、圭がなぜ医者になろうとしたかについても、彼女は慧理子に説明します。
圭が医者になろうとしたのは、妹の病気を治すためだった。
医者になる際に、海斗との友達付き合いは将来的に弊害になる。
だから、より近しい慧理子のために、海斗との関係を切った。
3巻で慧理子が兄を見て感じた『クズ』という冷たい行動も、律からすれば『合理的なだけで、あれは慧理子を思っての行動だった』となるわけです。
妹には色々辛辣に言われていたけど、圭は本当に妹のために医者になろうとしていたみたいですね。
あぁ…( ;∀;)妹に誤解されてちょっと不憫。
永井律は元ERの医師。
律は慧理子に、大切にするとはどういうことか、合理的な彼女らしい言葉で説明します。
大切にするということは、その人のために行動し、実現することよ。
そのためには、みんなを大切になんて不可能。
人間一人に出来ることなんて、たかが知れてるわ。
だから、余分なものは嫌だったとしても、斬り捨てなければならない。
より大切なものを、本気で実現させる気があるから。
大切に思うだけじゃなく、その人のために行動することが大事。
めっちゃ同感。
これは確かにその通りだと思う!
言葉だけじゃなく行動で示せということですね。
ただ、切り捨てて非情になれるかどうかは、その人の性格によって出来る出来ないがありそう。
実際の生活の中では、簡単に捨てられないことは多いですしね。
でも、大切に思うだけじゃなく、その人のために行動するっていうのは同感です。
やっぱ行動することが大事ですわ。
亜人の中で名言って少ないですけど、これは個人的に名言だと思ってます。
亜人自体が言葉で表現するより、行動で示すみたいなところがあるから。
コメント
あの作品は極端な思考回路をそれらしく正論で描いているのが個人的には不愉快だった。
全ての人を大事にする以前に友人一人を大事にできない人間に診察も治療も手術もしてほしくない。
そもそも、そんな思考回路が正しいあり方だと言うなら人間なんて必要ないし将来的にはAIとロボットだけがいればいい。
自分はどちらかと言えば合理的なほうだけど、それでも大事にしなければいけない心の一欠片くらいは理解しているつもりだよ。