フォージ安全社長・甲斐の暗殺を阻止し逆に亜人テロを続ける佐藤達を捕らえる――
永井圭の立案した作戦は時間差で佐藤が単身フォージ安全ビルに侵入したことで綻びが生じた。
(桜井画門『亜人』9巻より)
気が付いたら限定版買ってました。
どうも、くろやんです。
ただいまTVアニメの第2クールが始まり、最新刊の9巻が発売され、亜人旋風が巻き起こっています。
盛り上がってきて嬉しいですね。
それでは早速、9巻のざっくりとしたあらすじや見どころ、限定版DVDの感想を紹介しようと思います。
以下、9巻と限定版DVDのネタバレを含みます。
9巻のあらすじ
7巻から始まったフォージ安全ビルを舞台とした永井圭達と佐藤の戦い。
戦況は一転二転し、今回の9巻で両者の戦いが一旦終わりを迎えます。
8巻終わりから始まった佐藤と黒服達の銃撃戦。
激しい銃撃戦のさなか、黒服一名が命を落としてしまう。
残り三名となった黒服達は、佐藤の攻撃に応戦しつつ隙を見て、麻酔銃で佐藤を眠らせることに成功する。
完全に眠った佐藤。
しかし、ここで予想外の出来事が起こる。
沈黙していた佐藤のIBMが自走を始めたのだった。
(桜井画門『亜人』9巻)
部屋にいた黒服達に次々と襲い掛かるIBM。
一人、また一人と倒れていき、最後にIBMは麻酔銃で眠らされていた佐藤を攻撃する。
完全に復活した佐藤は、黒服の最後の一人となった平沢を攻撃しようとするが…。
そこに圭がやって来て、佐藤の銃弾から平沢を助ける。
再び、対峙することになった圭と佐藤。
(桜井画門『亜人』9巻)
だが、圧倒的な強さを持つ佐藤は、麻酔銃を使うことなく簡単に圭を殴り倒してしまう。
黒服達も圭も倒れてしまい、そのまま佐藤は社長室へと侵入する。
そして、暗殺対象であった甲斐社長を殺害。
暗殺を成功させた佐藤は、圭の作戦の浅はかさを指摘する。
さらに、圭を「断頭する」と宣言した佐藤。
もはや万策尽きた状態となった圭に、平沢が言った言葉は「逃げるぞ」だった。
佐藤のIBM無双
今回も見どころは色々ありますが、特に目を引くものが『佐藤のIBMが自走する』場面です。
4巻で、自我を育むためにIBMを放任していた佐藤。
その後もIBMを放任していたようで、7巻では佐藤を捜していた田中に対し、時間差でIBMが言葉を発する様子が見られるまでになっていました。
(桜井画門『亜人』7巻)
指がプルプル震えてる。
片言ですが、奥山のIBMよりちゃんと話せています。
今回40話で満を持して、自我を育んだIBMが自走します。
しかも、絶妙なタイミングで。
この自走が無ければ佐藤は麻酔銃で眠ったままで、圭達の勝利となっていたんですが…。
そして、始まった佐藤のIBM無双。
部屋にいた黒服の男達に次々と襲い掛かります。
動きや攻撃が素早く、そのビジュアルも相まって、人型の幽霊というよりまるで野生の獣のよう。
(桜井画門『亜人』9巻)
単行本と本誌を見比べていて気付いたんですが、この40話で佐藤のIBMが自走する話は、細かい加筆がされています。
スプリンクラーによって部屋に散水される水滴や、コマの集中線など。
加筆したことで、よりIBMの攻撃の激しさが強調されたように感じます。
それにしても、佐藤さん最強すぎっしょ。
本人も元海兵隊出身の亜人で、IBMまで自走することが可能になったって、どんだけ強いの。
一人で日本制圧できそう。
佐藤さんが日本を統治する日も近いのか…?
助ける者達の想い
今回も圭側と佐藤側と敵味方関係なく、それぞれの登場人物達が何らかの行動を起こしていくため、群像劇のようになっています。
前回の8巻で「少しやりたいことがある」と言って、他のメンバー達を逃がして一人残った田中。
彼がやろうとしたことは、暗殺対象だったもう一人の人物、社長秘書の李を逃がすことでした。
(桜井画門『亜人』9巻)
しかし、彼女を逃がそうとしたところで、暗殺を遂行しようと現れた佐藤と対峙することに。
ここの田中の行動と台詞がカッコいいんですよね。
あと、階段で泉と戦闘した最後の場面でも、彼はある行動を起こしています。
8巻から引き続き、今回の行動も含めて田中のキャラがより深くなった、味が出てきたと思います。
他にも、黒服のリーダーだった平沢。
ビジュアルも中身も渋い男です。
ハードボイルドです。
そんな彼も他の黒服達と同様に命を懸けて、今回佐藤と戦っています。
詳しい素性も家族についても分からない人物ですが、わずかに内面を垣間見せる場面がありました。
(桜井画門『亜人』9巻)
そして、今回も絶好調の佐藤。
IBMが自走してくれたおかげで窮地を脱出し、暗殺もあっけなく成功して作戦終了。
残った時間で、ボーナスステージをスタートさせ始めます。
圭の作戦に対しダメ出しした後で、「君はいいものを持ってる。なのに…今のままじゃあもったいない」と言う佐藤。
だから、一度“断頭”を経験すればいいと圭に提案します。
佐藤曰く断頭を経験すると、もっと自由な発想で戦えるようになるらしい。
(桜井画門『亜人』9巻)
そして、この笑顔。
「君ならできる」って、応援してくれています。
佐藤さんにこう言ってもらえると心強いですね。
これなら断頭も怖くない!
不安なことがある時や大事な仕事の前など、このコマを見ると乗り越えられそうな気がしてきます。
限定版DVD「Intermission」
今回の9巻限定版に付いているOAD第二巻。
そう、温泉回!
しかし、これは丸々温泉回というわけじゃありません。
まず佐藤側のストーリーがあり、その後で圭側のストーリーの中の一部に温泉(入浴)があるということです。
PVとあらすじがこちら。
「亜人」原作コミック第9巻DVD付き限定版PV
アジトに潜伏している佐藤と田中は、猫沢から武器を調達してもらう為、臓器を用意することになった。
佐藤は自らが亜人という特性を活かして、大量の臓器を効率よく手に入れようとするが、それを聞いた田中は…
亜人本編では描かれなかったそれぞれのストーリー。
本当のストーリー(?)がそこにーー。
原作でもアニメでも気になっていた謎。
「佐藤はどうやって、あの大量の臓器を用意していたのか?」という謎が、ここで明かされました。
正解は『自分達の物』でした!
わあ、亜人って便利~
ひとつ謎が解けてスッキリです。
ちなみに、摘出までは映像化されていません(したらトラウマになる)
まさか大塚芳忠さんの声で、「私は今、猛烈にこのゲームがやりたい」という台詞が聞けるなんて。
佐藤さんのゲームのために、自分の臓器を差し出す田中。
た、田中!目を覚ませ!
そして、対佐藤に向けての軍資金が足りない戸崎達。
泉さんが機転を利かせ、『温泉を掘って温泉客を呼び込めばいい作戦』が始まります。
無事、温泉が掘れて泉さんがお試し入浴。
入浴(゚∀゚)キタコレ!!と思ったら、時間が短い!
時間にして1分ぐらい?み…短い。
最後に、泉さんに告白しようとした中野攻がいきなりやって来て、『ドキッ入浴後にまさかのハプニング!?』があります。
怒った泉さんがIBMを出して…というオチ。
しかし、この攻撃が攻にとって良い結果をもたらしてくれていたとはw
攻頑張れ!いつか振り向いてくれるかも。
驚いて赤くなっていく泉さん、かわいいよ。
今回のOADは、臓器とお色気という謎の組み合わせでした。
原作本編のシリアスな展開&OADの温泉回と…ギャップが激しすぎる。
こんな時どんな顔をしたらいいんでしょう、わからない。
そして、なんと次の10巻限定版は、佐藤の過去をアニメ化するそうですよ!
【佐藤の激烈なる過去が明かされる】
佐藤が主役のOADとなるようです。
アニメでもカッコ良かった、佐藤の戦闘シーンが見どころとなるんじゃないかな。
ついに本気を出したな。
まとめ
7巻から続いたフォージ安全ビルを舞台とした両者の戦いが、今回9巻で一旦終わりを迎えます。
結果は佐藤側の勝利。
犠牲者を出したまま敗北し、それぞれがバラバラになってしまった圭や戸崎達は、今後どうやって立て直していくのか。
一応、フォージ安全ビルでの戦いは終わっていますが、いくつか伏線や気になる点が残されたまま終わっています。
そのため、「あれやこれはどうなったんだ!」と、非常に気になるんですね。
次の10巻で、その辺りの気になっていた点を解消してもらいたい。
そういえば、今回佐藤が甲斐を暗殺する場面で出てくるトリックも面白かった。
亜人に関する新しい情報が明かされました。
いやぁ、亜人って何でも出来るじゃん。
パーフェクトヒューマンじゃん。
10巻からは、対佐藤に向けて圭達が再び作戦を立て直すことになるのでしょうか。
今回が佐藤に大敗しただけに、次回の戦いに向けて入念に対抗策を考える必要がありそうです。
というか、圭はヤル気を出すのかどうか。
負けて凹んだ後は立ち直るか逃げるか、ここからが正念場。
9巻の続き、good!アフタヌーン本誌ネタバレはこちらです。
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