亜人41話のネタバレ感想【ゲームはボーナスステージへと進む】

亜人

(good!アフタヌーン 2016年8号)

 

セミの声が聞こえるようになりました。
夏ですね。

どうも、くろやんです。

 

前回40話はこちらです。
亜人40話のネタバレ感想【プレイボール】

 

 

FILE:41 祭りのあと

以下、9巻のネタバレを含みます。

 

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その男は余裕を崩さない

14階、セキュリティ・サーバー室。
「完全封鎖完了。システムも破壊した」と、戸崎が圭に呼びかけるが、応答はない。
戸崎は泉と合流しようとするが。
ここで突然、戸崎の携帯が鳴る。

 

「戸崎です。今取り込み中でして、後で…」
移動しながら会話を続けていた戸崎。
しかし、その通話相手が話した内容の何かが、戸崎に衝撃を与える。

 

 

15階。
佐藤が社長室へと侵入する。
もちろん、室内には誰もいない。
室内を観察し、「この部屋、青写真より少し狭いよ?」と、呟く佐藤。

 

すると、いきなり壁のモニターに甲斐社長の映像が映る。
「やあ、佐藤君」と、挨拶をする社長。
(どう見ても佐藤の方が年上なのに、君呼びするブラック社長)

 

セーフルームから佐藤の様子をPCで確認しつつ、甲斐は言う。
「ご足労悪いが、ココで終わりだ。破ることはできないよ。このセーフルームがビル内で一番頑丈だからね」

 

自信たっぷりに「私を殺すことはできない」と、断言する甲斐。
甲斐が話す間、佐藤はセーフルームの壁の強度を確かめるように叩いていた。

そして、「コレしか道具が無いから、少し時間がかかると思うけど。いいかな?」と、尋ねる佐藤。
手には、銃とナイフが握られている。

佐藤の言葉に、「好きにしてくれ。コーヒーでも入れようか?」と、返す甲斐。

 

 

安全な場所から、悠々と余裕な態度を崩さない甲斐社長。
さすがです。
ブラック企業をまとめるだけあります。

その傲慢さと余裕な表情に、思わず苛立ちを感じてしまうのはなぜでしょうか?
「佐藤、頑張れ!」と応援したくなってしまう、この表情w

 

 

戸崎の変化

復活し、目を覚ました圭。
「起きろ、永井」と、平沢が言う。
どうやら、先に目を覚ました平沢が圭をリセットしたらしい。

 

圭は死亡している真鍋達の姿を見る。
佐藤の行き先を尋ねる圭に、「我々を無力化して、すぐ社長室に向かったようだ」と答える平沢。
「中野を起こして、奴を追いましょう」と、言う圭。

 

 

社長室。
「正直、感謝してるんだ。君が来てくれて」と、佐藤に話を続ける甲斐。
今、話題の亜人・佐藤が『セキュリティ会社社長の暗殺に失敗』
そうなるとこれ以上の宣伝文句はない、と甲斐は考える。

 

甲斐が一人で喋り続ける間も、佐藤はセーフルームのドアに何か細工を仕掛けていた。
先ほどからの佐藤の行動を不審に思う甲斐。
「さっきから何をしているんだ?いい加減諦めて帰ったらどうだ」

 

その時、銃声が一発鳴る。
セーフルーム内を見て、甲斐は驚く。
なんとドアに円形の穴が開けられていた。
その穴から、銃を持った佐藤の右腕が通される。

 

焦った表情を見せる甲斐。
「ちょっと」と、一言発したのが最期となり、甲斐は頭を撃ち抜かれる。
こうして、佐藤は容易く社長を暗殺することに成功する。

 

 

14階北階段。
手錠をかけられ、階段手すり下に繋がれた状態だった泉。
眠らされていたが、復活し目を覚ます。
泉の前に戸崎がいた。
「立てるか?」と問う戸崎に、「はい」と答える泉。

 

泉が階段に視線をやると、フォージ安全社員らが殺されていた。
39話で、泉が復活する様子を動画で撮っていた社員ら。
傍らに落ちているスマホも破壊されていた。
これは…田中がやったのだろうか…。

 

戸崎が「永井達と合流するぞ」と言う。
泉は、繋がれた手錠から無理に引き抜こうと腕を引っ張るが、なかなか抜けない。
「引き抜くの手伝ってください」と泉は戸崎に頼み、力を込めて引き抜こうとする。

 

しかし、無理に引き抜こうとした泉の手首から血が滲んでいることに、戸崎は気付く。
それを無言で見つめる戸崎。
立ち上がり、泉に背を向けると「鍵を探してくる」と言う。

「は!?ちょ…戸崎さん!?」と、驚いて呼びかける泉に構わず、戸崎は鍵を探しに階段を下りていく。

 

 

どうした、戸崎。
以前は「情け容赦無しだ」と言い、亜人に対して憎しみを持って冷酷な行動をとっていた戸崎が。
非情で冷徹だった男が…。

亜人に対して、以前とは明らかに考えが変わってきている。
電話で話した内容も、何か関係しているのだろうか。

 

俺の後ろにいろ

一人、廊下を歩いていた社長秘書の李。
前方の廊下角に何者かの姿が見える。

 

「ココにいたのかッ」
それは、警官に変装した田中だった。
ここで自分は殺される。
田中が握っている銃を見て、そう悟った李は覚悟を決めたように目を閉じるが…。

 

突然、田中は李の手首を掴むと「ついて来い、逃がしてやる!」と言う。
「え!?」と、状況が理解できず驚く李。
彼女を引っ張りながら、「俺の後ろにいろ!離れるなよ!」と、田中は声を掛けて走り出す。

 

しかし、背後に現れた佐藤が発砲し、それは田中の肩に命中する。
「あ!田中君!?」と、自分が撃ってしまった警官が田中だと気付き、佐藤自身も驚く。
「ゴメン。警官かと思ったよ」と謝りつつ、暗殺対象の李に向けて銃を構える佐藤。

 

「大丈夫ですか…!?」と、撃たれた田中を心配する李を自分の後ろに庇うようにし、田中は佐藤へと銃を向ける。
互いに銃を構え合う形となった田中と佐藤。

 

「何をしているんだ?田中君」と、佐藤が問いかける。
向かい合いながら、「佐藤さん…俺が暗殺リストを作ったことはわかってる。だが、この人は違う」と、言う田中。
この人(李)を殺すのは、間違ってると田中は答える。

 

 

そのまま、無言で対峙する二人だったが。
あっさり「いいよ!」と、銃を構えるのを止めて、笑顔を見せる佐藤。
驚く田中に「じゃあ、作戦終了ってことで。ココで解散!」と言い、佐藤は背を向ける。

 

「私はもう少し…永井君にちょっかい出してくるから」
そう言い残すと、佐藤は田中の前から去っていった。

 

 

佐藤から圭への宣言

社長室。
圭、攻、平沢が中へと突入するが、佐藤の姿はない。
壁にあるモニターには、セーフルーム内の甲斐の様子が映っていた。

暗殺対象であった甲斐社長が殺されているのを見て、「うそだろ…」と呟く攻。

 

セーフルームのドアに開けられた円形の穴。
室内に残っている血痕。
佐藤の行動に、圭も驚愕する。

 

「ダメだ、失敗だ」と、圭。
攻が「まだ戦うんだろ?そのために、完全封鎖したんじゃねーのか?」と訊くが、圭は「完全封鎖はハナから…賭けなんだ」と言う。

 

それは、佐藤が“亜人のある性質”に気付いていないかも、という望みにベットした勝率の低い賭けだった。
佐藤はこの頑丈なドアに穴を開けることが出来た。
つまり、佐藤を長い時間、このビルに閉じ込めておくことは不可能だということ。

 

 

社長室内に佐藤の声が聞こえ始める。
「永井君。コレが聞こえてるとしたら、君はまだ15階にいるってことだね」
放送室にいる佐藤が、15階に向けて喋っている声だった。

 

「私の作戦は終了したわけだが…君の作戦は…コレじゃあダメだよ」と、言う佐藤。

恐らく自分がビルに侵入した時点で、圭の作戦は破綻していたんじゃないかと、佐藤は見抜く。
「“断頭”の話をした私自身が、あの手段で移動して来るとは考えなかった。あさはかだよ」

 

さらに、佐藤の言葉が続く。
圭はいいものを持っているが、今のままではもったいない。
「だから、こうしよう。君を一度、“断頭”させてくれ」

 

一回、経験すれば踏ん切りがつくだろう。
断頭という枷を越え、もっと自由な発想で戦えるようになるはず。

「君ならできる」と、圭に呼びかける佐藤。
「じゃあ、今から行くよ」という言葉を最後に、放送は切られた。
社長室内に緊迫した空気が流れ、攻も平沢も圭に視線をやる。

 

 

造園用具が収納されている部屋のドアを開ける佐藤。
中には、様々な用具が置かれていた。
ホースやバケツや工具と一緒に、円形の刃がついた草刈機がある。

「ボーナスステージスタートだ。永井君」

 

 

まとめ

佐藤の「君ならできる」のコマが、まるで先生が生徒に「もっと上の大学を目指してみよう。大丈夫、君ならできる!」と、言っているようなノリに聞こえてしまった。

 

「君を一度、断頭させてくれ」も口調は軽いノリだけど、言われた方は恐ろしいですね。
佐藤が言うように、一回経験してみれば「何だ断頭って、こんなもんかぁ」みたいな踏ん切りがつくのか?
わ、わからん…。

 

 

今回のこの充実具合。
あまりに展開が目まぐるし過ぎて、よくわからなくなってきた。
ちょっと整理してみましょう。

 

冒頭で、戸崎に何者かから重要な電話が掛かってくる。
佐藤はセーフルームに隠れた甲斐を、あっさりと簡単に暗殺してしまう。
もう一人の暗殺対象だった李を田中が逃がそうとし、彼女を佐藤から助ける。
佐藤は李を殺すのを止め、作戦終了だと告げる。
そして、ボーナスステージがスタートし、佐藤は圭を断頭すると宣言。

 

 

こんな流れですかね。
佐藤側の目的(暗殺)はもう達成されたので、結果としては佐藤側の勝利となるのか。
ここからは、佐藤が言うようにおまけのボーナスステージになるのか。

圭側はもう策が無く人数も減ってしまい、勝算はほとんど無い状態…。

 

 

あと、今回は謎がいくつかありました。

・戸崎の電話の相手は誰なのか、内容は?
口振りからして、恐らく大臣か。
それとも、婚約者が入院している病院関係者か?
その後の戸崎の心境の変化に、何か関係している内容だったのか。

 

・佐藤はどうやってセーフルームのドアに穴を開けたのか?
持っていたのは、銃とナイフのみ。
室内に血痕があり、佐藤は自らのどこかを傷つけたよう。
円形の穴の下にも血痕がある。
圭が言った“亜人のある性質”に関係しているのか?

 

・圭の「佐藤が“亜人のある性質”に気付いていないかもという望みにベットした」という台詞
ここで出てきた“亜人のある性質”とは?

追記:これらの謎について考えてみました。
41話の謎【ドアの穴と亜人の性質・電話の内容】

 

そして今回、戸崎と田中の行動が印象的でした。
特に田中。
いきなり李を連れて走り出し、「俺の後ろにいろ!離れるなよ!」と男前の台詞を言う。

アツい展開!アツい台詞!
殺伐としがちな亜人で、まさかのフラグらしきものを立てた功績は、極めて大きいと思います。

 

次回、ボーナスステージという名の佐藤さんの恐ろしいちょっかいが始まるのか。
今回気になっていた謎が明かされるのか。

 

そういえば、今回の個人的に見どころ佐藤さんの「君ならできる」のコマ。
仕事の山場を迎えた時などに、このコマを見て励ましてもらおうと思いました。

続きはこちら。
亜人42話のネタバレ感想【逃げるか戦うか】

 

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