【アニメヴィンランド・サガ6話感想】彼女の涙のわけ。人の感情は大きなうねりの中にかき消されてしまう

ヴィンランド・サガ

(c)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

 

アシェラッド兵団の一員として、初めて戦場に立つトルフィン。
イングランド征服を目的とした戦争の悲惨な現実を目の前に逃げ出そうとするも、父の仇アシェラッドを決闘により倒すため自ら戦火へ身を投じる。
その後、目覚ましい戦闘力を身に着けていくトルフィンだったが、ある夜、イングランド兵との戦闘で傷を負い、海辺の村で暮らすイングランド人の母娘に命を救われる。

(アニメ公式サイトより)

 

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前回のサバイバル生活も過酷だったけど、アシェラッド兵団の一員となったトルフィンの生活はさらに過酷なものになっていく。
戦火に身を投じるってこういうことだよね…。
激しい戦争のなかでは、人の感情なんて大きなうねりの中にかき消されてしまう。
原作でも今回のストーリーは、最後のトルフィンの感情やイングランド人の母の感情を言葉ではなく表情で表していて、それがとても切なくて個人的に印象的な回です。

 

 

前半はアニメオリジナルのストーリー。
イングランド征服を目的とした戦争に参加することにしたアシェラッド兵団。
彼らはイングランドの地でデーン人の部隊と手を結ぼうとするが、そこでイングランド軍から奇襲を受ける。
激しい戦闘が行われるなか、トルフィンも戦いに参加することになり、そこで初めて人を殺すことになるというストーリー。

 

いやぁ…6歳の子どもが戦場で生き残れるものなのか、よっぽど強運の持ち主なのかと思ってましたが。
やはり兵団の誰かが助けないと厳しい現実ですよね。
イングランド兵に殺されかけたトルフィンを助けたのはアシェラッド。

 

た、助けた?アシェラッドがトルフィンを助けた?やっぱり何だかんだ言ってもトルフィンは子どもだし、気に掛けてたのかと思いきや。
「戦場じゃ弱いやつから死んでいく。おめぇみたいにな」と、捨て台詞を吐いていくアシェラッド。
嫌味か!そして、トルフィンの闘争心に火がつく!

 

(c)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

 

イングランド兵を自らの手で刺し殺したトルフィン。
初めて人を殺したこと、戦場で生き抜く厳しさ、トルフィンの涙と慟哭。
原作ではトルフィンが初めて人を殺した瞬間は描いてなかったから、今回のアニメではそれが描かれていて貴重な場面でした。

 

そこからトルフィンは戦の場数を踏んでいき、メキメキと戦闘力を上げていく。
経験値を上げるには実戦が一番でしょうね、目覚ましいレベルアップ。
ビョルンもアシェラッドもトルフィンの実力を認め始め、あるとき斥候に出るよう命じられるトルフィン。
イングランド兵との戦闘で、ナイフ二刀流で戦うトルフィンの動きがカッコイイよ。

 

 

なるほど、こんな流れで斥候に出たトルフィンが傷を負い、原作のイングランド人の母娘に助けられる場面に繋がっていくんですね。
アニメオリジナルの初めての戦場経験からトルフィンの戦闘力が上がっていく様子を描き、上手く原作のストーリーに繋がっているなと思いました。

 

話が変わりますが、原作でもこの回に登場する動物たちが可愛いんですよ。
目を覚ましたトルフィンの顔を舐めるワンちゃんとか、家の外にいるヒヨコや鶏や豚たちとか。
あー可愛い動物たちに癒されるよぉ。
そして、激しい戦闘があった殺伐とした雰囲気と一転して、人の優しさや温かさを感じる場面です。

 

敵であるデーン人の子ども(トルフィン)を助けたイングランド人の母娘。
傷の手当てをして食事を食べさせ、櫛で髪をといてやって…。
イングランド人の母親の優しさに戸惑いながらも、トルフィンにとっては久しぶりに人の温かさを感じる時間だっただろうな。

 

(c)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

 

しかし、すでにトルフィンはアシェラッド兵団の一員でヴァイキング。
助けてくれた母娘に逃げるよう促した後、トルフィンは村の小屋に火を放ち、アシェラッドらを引き入れる手引きをする。
襲ってきたイングランド兵を返り討ちにしたトルフィンの形相は、子どもとは思えないほど殺気立ち恐ろしいもの。
そんなトルフィンを見たイングランド人の母は涙を流す…。

 

このときの彼女の涙のわけは何だったのか。
村に火を放たれ、助けたトルフィンに裏切られたことへの悲しさなのか。
それとも、子どもでありながらヴァイキングとして厳しい戦場を生き、人を殺さなければならないトルフィンの境遇を哀れに思ったのか。
そんなイングランド人の母の涙を見たトルフィンも、なぜ彼女が涙を流したのかわからず驚いた表情。

 

ヴァイキングとはどういうものか、略奪とはどういうことか。
その現実を描いていて、後にある14話のエピソードと合わせて今回の話はシリアスで悲しい最後です。
トルフィンは母娘を逃がそうとしていたけど、おそらく彼女たちは間に合わなかったのでは…。
少し悲しい表情を見せるが、ため息をついた後に冷めた目になるトルフィン。
これは戦争だから仕方がないか…そんな感情を表しているように見えます。

 

イングランド人の母の感情とトルフィンの感情と。
二人の感情を言葉ではなく表情だけで表していて、切なく印象深い回です。
ここからEDの『Torches』が静かに始まるところがまたいい。

 

 

今回の『あにまるらんど・さが』はモコモコ羊さん。
ノミだらけのトルフィンに櫛を入れるだけじゃなく、体まで洗ってくれる優しいイングランド人のお母さん。
泡でモッコモコ!母娘もイングランド兵もみんなモコモコ。
そして、ビョルンのクッキングコーナーはまたキノコ!
ほんとにキノコ好きなのね。

 

続きはこちら。
【アニメヴィンランド・サガ7話感想】冬越しの前にフランク王国でお宝ゲットだぜ!

アニメの感想をまとめたページはこちら。
アニメ『ヴィンランド・サガ』の感想まとめ

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あの漫画のここが気になる!!!

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