【アニメヴィンランド・サガ18話感想】覚醒のクヌート殿下！もう姫とは呼べない雰囲気

(c)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

アシェラッドの身柄を賭けたトルフィンとトルケルの決闘が成立し、互角にやり合う両者。トールズの子に期待するトルケルは、「本当の戦士」とは何だとトルフィンに問うのだった。
一方、逃げる最中で襲撃にあったクヌートは、夢の中である人物と再会する。

（アニメ公式サイトより）

来たよ、覚醒のクヌート殿下！
覚醒してからのクヌートはもう王子じゃなくて王の顔だよ。
今回の愛を説く場面ね、よくわからんのですが印象深いストーリーです。

はじめにあったクヌートとラグナルの夢の中での別れの話。
ラグナルはクヌートに対して過保護になって甘やかし過ぎていたこともあったけど、とても大切に育てていたのがよくわかるよ。
ごく普通の農民が我が子を育てるがごとく…幼いクヌートの笑顔からも、ラグナルが愛情を持って接していたのが伝わってくる。

スヴェン王の代わりに、ラグナルはクヌートのことを我が子のように愛していた。
夢の中でラグナルがクヌートに別れを告げるところは切ない…。
この二人は王子と従者という関係だけじゃなく、血の繋がっていない父と子のような関係でもあったと思います。
ラグナルがクヌートのことを我が子のように大切に思っていたように、クヌートもラグナルのことを父のように慕っていた。

(c)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

しかし、そんなラグナルのクヌートに対する想いは愛ではないと、バッサリと否定するヴィリバルド神父。
「殿下、愛とはなんですか？」
唐突に愛とは何ぞやと難しい哲学的な、ちょっと宗教的な話が始まります。
愛と言われると、一般的には親が子どもを大切に思ったり、夫婦が互いに思いやったりするのが『愛』だと思うんですが。

ヴィリバルド神父の話によると、それは『愛』ではなく『差別』だという。
他の誰かと分け隔てることで起こる差別。
マジか…目から鱗だよ…一般的によく言われる愛が、見方を変えると差別ということになるなんて…。

愛の本質とは死。
死ぬことで誰かを憎むことも殺すこともなくなり、不平不満を言わず、惜しみなく他のものに自らの身を与え続ける。
その姿はどんな生者よりも美しく、愛そのもの。
神父によると、死が人間を完成させるということらしいです。

愛の本質が死って…残酷すぎる真実だ。
残酷な神父のテーゼ。
いや、もうよくわからんけど！
神父の話で悟りを開いた後のクヌートの「天の父よ」の言葉も正直よくわからんけども！

(c)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

ただ今回も、印象深い14話と同じく自然の描写が美しい。
クヌートが自然に愛が溢れていると気付く場面の、雪の描写や空の描写が本当に綺麗。
舞っている雪や雲や太陽の様子がとてもリアルで素晴らしいです。
アニメは自然の描写がすごい気合い入ってるね。

そして、バーサーカー状態のビョルンを抱きしめ、鎮めさせたクヌート。
奇跡を見た…！まさに王、いや神！
何だろう、王蟲の怒りを鎮めたナウシカみたい。
ヘタレ王子とか姫とか言われてきたクヌートが漢の顔になったよ。
声も表情も全然違う。
もう姫とか言ったらダメな雰囲気だよ。

クヌートがヴィリバルド神父の話で悟りを開いて、王として目覚めた今回。
『愛』や『神』は正直よくわからんけど、クヌートが目覚めて別人のように変わる場面は衝撃的です。
最後の「戦士達よ私の家臣になれ。戦わねばならぬ時と相手を教えてやろう。それが王の務めだ」の台詞は感動するよ。
マントをバサァって、カッコいいよクヌート王！！

そういえば、最近ストーリーがだいぶ駆け足になってきましたね。
台詞や場面もカットするところが増えてきたような気がします。
今回のアトリがビョルンを刺す場面も、その手前の気絶していたアトリが目を覚ます場面をカットしてたんですよね。
突然アトリがやって来たのでかなり唐突になったけど、全24話でアニメを終わるには色々と端折らないと難しいんだろうなぁ。

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